1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
ミオシン頭部アクチン結合部位に関する分子構造論的研究
Project/Area Number |
61480456
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物質生物化学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森田 フミ 北海道大学, 理学部, 助教授 (80000818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢沢 道生 北海道大学, 理学部, 講師 (50101134)
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Project Period (FY) |
1986 – 1987
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Keywords | ミオシン / アクチン / アクチン結合部位 / 合成ペプチド / プロトンNMR / 二次元NMR / ATPase |
Research Abstract |
ミオシン頭部上のアクチン結合部位の一つであるS-siteを更に限定するためにSH1付近のアミノ酸配列を持つペプチドを化学的に合成した. アクトS-1コムプレクス形成の阻害の程度からペプチドとアクチンとの解離恒数を計算した. SH1に相当するCysを含む11残基のペプチド, VLECIRICRKGOEt(I)と7残基のIRICRKGOEt(II)は殆ど同じ強さでアクチンと結合した. 同様にVLEGIRIOMe(III)とIRIOMe(IV)は殆ど同じ強さであった. 従ってペプチド(I), (III)のN端部のVLEGの部分は, アクチンとの結合に殆ど寄与していなことになる. ペプチド(II)に相当する部分がアクチンとの結合に重要である. ペプチド(II)ではN端側のIRIがC端側のCRKGより10倍強くアクチンと結合できることは既に報告した. SHIのC端側に隣接するIRIの部分が, アクチン結合に重要であるという前回の結論がさらに確かめされた. IRIOMeのH-NMRを測定した. 各ケミカルシフトは, 2次元HMR COSYより同定した. また, D l M KCl存在下pH7において, ペプチド由来の全てのプロトンのシグナルの線巾が低濃度のアクチン添加により増大した. アクチンに結合したペプチドと, 遊離のペプチドとの間で速い交換が起こっていることを示している. NOESYスペクトルよりクロスピークを生ずるプロトン間の空間的距離が近いと仮定して此のトリペプチドの立体構造を考慮すると, 両端のIle残基の疎水性の側鎖とは逆方向にArgのグアニジル基が延びることになる. 疎水性のクラスターと荷電を持つグループとが離れて存在するような立体構造をとっていると思われる. 7残基の合成ペプチド(II)は, アクトS-1 ATPase 活性を完全に阻害した. S-siteは, rigor complexを形成する部位であると共にアクチンによるミオシンATPaseの活性化の為にも必要な部位と思われる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] R. Suzuki;F. Morita: Biochim. Biophys. Acta. 912. 147-150 (1987)
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[Publications] R. Suzuki;N. Nishi; S. Tokura;F. Morita: J. Biol. Chem.262. 11410-11412 (1987)
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[Publications] F. Morita;T. Katoh;R. Suzuki;K. Yagi: Perspective of Biological Energy Trandsuction (Y. Mukohata, M. F. Morales, S. Fleischer eds.)Academic Press. 73-80 (1987)
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[Publications] H. Sohma, F. Morita: J. Biochem.100. 1155-1163 (1987)
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[Publications] H. Sohma, F. Morita: J. Biochem.101. 497-502 (1987)
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[Publications] F. Morita;R. Suzuki;N. Nishi;S. Tokura: Peptide Chem.1987. (1988)