1987 Fiscal Year Annual Research Report
血液凝固線溶系調節機構の分子生物学的・生化学的解析
Project/Area Number |
61480459
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小出 武比古 新潟大学, 医学部, 講師 (60018695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 昌司 新潟大学, 医学部, 講師 (60018702)
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Keywords | 血液凝固の制御機構 / 高ヒスチジン糖タンパク質遺伝子 / 遺伝子構造 / シスタチンスーパーファミリー / 分子進化 / プロテインCインヒビター / ヘパリンコファクターII / 硫酸化多糖 |
Research Abstract |
1.高ヒスチジン糖タンパク質(HRG)遺伝子の構造解析とその分子進化(1)昨年度の研究によって得られた知見にもとずいて,HRG遺伝子中の各エクソン領域の塩基配列およびイントロンとの境界領域の塩基配列を決定した.その結果,HRG遺伝子は9つのエクソンと8つのイントロンから成り,全長約11,000塩基対であることが明らかとなった. (2)HRGのN末端側半分(1〜229残基)に存在する2つのシスタチンドメイン内にはそれぞれ2つずつのイントロンが,そして両ドメイン間には1つのイントロンが介在していた.しかもシスタチンドメイン内の各イントロンの介在位置は,ごく最近明らかにされたシスタチンSN,SA,Cおよびキニノーゲンの場合とほぼ同一であった.このことはHRGが,分子進化的には,シスタチンスーパー遺伝子ファミリーに属するものであることを示している. 2.凝固線溶系調節機構における硫酸化多糖の機能につき,次のような新たな知見を得た. (1)プロテインCインヒビターの補助因子としては,デキストラン硫酸,コンドロイチンポリ硫酸1と5およびペントサンポリ硫酸などが,ヘパリンよりも強い活性を示すことを見いだした.このことは硫酸化多糖中のカルボン酸基は,その補助因子機能発現に必須ではなく,硫酸基が重要であることを示唆している. (2)化学修飾法によって,ヘパリンコファクターIIのトロンビン阻害における硫酸化多糖の阻害作用促進効果について検討し,ヘパリン,デルマタン硫酸共,ヘパリンコファクターIIとの結合よりも,トロンビンとの結合の方が,その機能発現により重要であることを明らかにした
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Koide,Takehiko: FEBS LETTERS. 216. 17-21 (1987)
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[Publications] Kazama,Yoshiaki: Thrombosis Research. 48. 179-185 (1987)
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[Publications] Yamagishi,Ryoichi: FEBS LETTERS. 225. 109-112 (1987)
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[Publications] Koide,Takehiko: Thrombosis and Haemostasis. 58. 216 (1987)
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[Publications] 小出武比古: 生化学. 59. 986 (1987)
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[Publications] Koide,Takehiko: Thrombosis Research. (1988)
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[Publications] Koide,Takehiko;P.J.Gaffney et al.eds: "Fibrinolysis:Current Prospects" John Libbey&Co.Ltd.,(London), 55-63 (1988)
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[Publications] 小出武比古: "血栓形成と血栓溶解" 日本科学技術協会, (1988)