1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480472
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
最上 要 東京大学, 理学部・物理学教室, 助手 (80174332)
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Keywords | 筋原繊維 / 形態形成 / アクチン / ミオシン / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
ショウジョウバエの胸部には間接飛翔筋と呼ばれる強大な一群の筋肉があり,ハエの飛翔時に必要な羽ばたきのための力を供給している. 研究代表者は以前の優性飛翔不能突然変異を多数単離し,その中にミオシン重鎖突然変異を同定した. また別の研究者により,アクチン,トロポミオシンの突然変異も同定した. また別の研究者により,アクチン,トロポミオシンの突然変異も同定されている. 本年度の研究の結果は, まず 1.第2染色体連関の飛翔不能突然変異を遺伝学的,生化学的に解析し終えた. 結果はミオシン重鎖突然変異が6系統(以上すべて致死),致死ではないが,軽鎖の欠損が見られるので,やはりミオシン重鎖の変異が考えられるもの5系統,ミオシン重鎖とは考えにくいが近傍にあるもの3系統(うち2つはよく似ている),ミオシン重鎖とは異るが,同一の遺伝子に属すると考えられるもの2系統,劣性のもの1系統があることがわかった. ミオシン重鎖の変異が疑われるものについては今後,DNAレベルでの解析を目ざす. 2.第3染色体連関の突然変異は約50系統あるが,その多くが間接飛翔筋特有のアクチン遺伝子(act 88F遺伝子)の変異であることが予想される. この遺伝子の性質は今までにかなり良くわかっているので,DNAレベルでの変化を簡便に明らかにできるような方法の開発を行った. 今後はこの方法により,全突然変異のアクチン遺伝子を調べ,異常のみつかったものについては,よりくわしい遺伝学的,生化学的解析を行う. 3.アクチン突然変異の中からIfm(3)6という系統を選び,その変異アクチンを精製する方法の開発を前年度にひきつづき,行った. ゲルろか,イオン変換クロマトグラフィー等を試みたが,まだ充分な純度のものは得られていない.
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