1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480474
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柳田 充弘 京大, 理学部, 教授 (80025428)
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Keywords | 染色体 / スピンドル / 遺伝子産物 / 細胞核 / 分裂酵母 |
Research Abstract |
本研究は染色体分離運動に関わる分裂装置のスピンドル伸長を制御する遺伝子機能と産物を明らかにすることを目的としている。分裂酵母S.pombeの細胞周期突然変異nuc2は温度感受性(ts)であり、制限温度下に細胞を置くと、高度に同調して有系分裂期に停止する。この時、均一長で短かいスピンドルが形成されるが、伸長はおこらない。nuc2遺伝子産物が有系分裂後期におけるスピンドル伸長に直接関与する可能性が高い。本遺伝子機能と産物を明らかにするうえで、以下に述べる実績を得た。 1.nuc2遺伝子をクローン化した。全塩基配列を決定し予想されるタンパク質のアミノ酸配列を得た。 2.nuc2遺伝子DNAを1acZプロモーター領域と結合し、nuc2タンパク質を大腸菌において大量に生産した。さらにこのタンパク質を純化した。 3.純化されたnuc2タンパク質を抗原としウサギにおいて抗血清を二種類調製した。 4.この抗血清は分裂酵母細胞抽出液中において、分子量67Kのタンパク質をウエスターン法において検出した。DNA塩基配列から予想される分子量と一致する。 5.分子量67Kタンパク質(p67)は、nuc2遺伝子をマルチコピープラスシドおよび高発現プロモーターADHと結合して細胞内に導入すると、数十倍増産された。これよりnuc2の産物がP67であることが結論できた。 6.p67の細胞内局在を、細胞分画、オルガネラ分画とウエスターン法の併用により調べた。その結果、p67は核に局在し、不溶性であり、ごく少量(細胞あたり1000コピー程度)存在することが明らかとなった。
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[Publications] Uemura.T.: EMBO Journal. 5. 1003-1010 (1986)
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[Publications] Nakaseko,Y.: EMBo Journal. 5. 1011-1021 (1986)
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[Publications] Niwa,O.: Mol Gen Genef. 203. 397-405 (1986)
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[Publications] Adachi,Y.: Mol.Cell.Biol.6. 2168-2178 (1986)
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[Publications] Uemura,T.: EMBO Journal. 5. 2355-2361 (1986)
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[Publications] Hirano,T.: EMBO Journal. 5. 2973-2979 (1986)
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[Publications] Yanagida,M.: "Yeast Cell Biolosy" Alan R.Liss, 671 (1986)