1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480488
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
梶山 梧朗 広島大, 医学部, 教授 (40034087)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 至 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60157055)
|
Keywords | 培養肝細胞 / エストロゲン / LDL-レセプター / 血清脂質 / コレステロール合成 / 脂肪酸 |
Research Abstract |
エストロゲン投与による血清脂質低下はよく知られ、その作用機序の一つとしてLDL-レセプターの増加が報告されている。一方、エストロゲン投与による肝細胞内脂質合成,リポ蛋白分泌についてはあまり検討されていない。そこで、エストロゲンの肝におけるリポ蛋白代謝について、培養肝細胞を用いて検討した。 ラットに17αエチニルエストラジオール(以下EE)を投与すると、血清中コレステロール,トリグリセライド,リン脂質は低下した。EE投与により、ラット肝細胞リポ蛋白-レセプターは増加しており、この時培養肝細胞中の総コレステロールおよびコレステロールエステルの増加がみられた。EE投与の培養肝細胞からの総コレステロール,コレステロールエステル,トリグリセライドの分泌には変化がみられなかった。肝ミクロゾーム分画のHMGCoAreductase活性を測定すると、EE投与によりHMGCoAreductase活性は低下していた。 このことにより、血清脂質の低下は肝へのレセプターを介しての取り込みの増大と考えられ、このような条件下では肝でのコレステロール合成が抑制されることが明らかとなった。 62年度は、超遠心機を用いLDL分画を採取し、【^(14)C】-sucroseをラベルした方法によるレセプターアッセイを確立して、リポ蛋白の肝への取り込みをくわしく検討する予定である。また、培養肝細胞を用いたリポ蛋白代謝の実験系を用い、脂肪酸とくに飽和脂肪酸(パルミチン酸),多価不飽和脂肪酸(リノール酸)の肝におけるリポ蛋白,胆汁酸代謝について検討する予定である。
|
-
[Publications] 大原啓敬,堀内至,梶山梧朗,他: 応用薬理. 31. 681-695 (1986)
-
[Publications] 高田耕基,川本敏雄,梶山梧朗: 動脈硬化. 14. 93-99 (1986)
-
[Publications] 西村正二,川本敏雄,堀内至,梶山梧朗,他: 動脈硬化. 14. 195-201 (1986)
-
[Publications] 林幸三,小出和伸,平田康彦,大谷博正,徳毛宏則,堀内至,梶山梧朗: 医学のあゆみ. 138. 929-930 (1986)
-
[Publications] 林幸三,堀内至,梶山梧郎,他: 日本消化器病学会雑誌. 83. 2022-2027 (1986)
-
[Publications] 野村洋子,堀内至,徳毛宏則,梶山梧朗,他: 消化と吸収. 9. 126-128 (1986)