1986 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島周辺に分布する海底堆積物の堆積学的・地球物理学的研究
Project/Area Number |
61490010
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤岡 換太郎 東大, 海洋研究所, 助手 (20107452)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 和男 東京大学, 海洋研究所, 教授 (10013559)
|
Keywords | 海底堆積物 / 陸源物質 / 河川水系図 / テフラ / 熱水性堆積物 / 海水準変動 |
Research Abstract |
日本列島周辺に分布する海底堆積物の諸性質をまとめるために今年度は以下のような予察的研究と研究航海を行なった。〔陸源物質〕は主として陸上の河川と海底谷によって運搬されるので、その運搬系路そのものの地質学的特性を出すべく、陸上の河川水系図と海底の海底谷系図を作製中である。陸源物質は日本列島のみならず、中国大陸とシベリアからも大量の土砂が日本近海に運ばれてきている。従って中国大陸の地質,水系も同時に検討中であり日本周辺は100万分の1の地形図にそれらを落として検討する事にしている。〔火山源物質〕は主として海底のテフラとなっている。テフラは島弧系の火山活動に由来するが、日本や大陸から来ている。そういう意味で砂漠の石英粒などと同様に扱える。テフラの主要なものの年代と海底での分布はピストンコアサンプルを用いて大雑ぱにはまとめる事が出来た。これは海底堆積物の年代尺度としても用いられ堆積速度を求めた。この中でATとAhは氷期と間氷期の海水準変動に有用な指標テフラで、日本海の堆積物の変遷を考える上に重要な役割りを果たした。その他に淡青丸KT86-10次航海となつしましんかい2000によって御蔵海盆の調査を行ない海盆西部より安山岩から成る小海丘とそれに伴う熱水性堆積物の存在を発見した。この発見は伊豆・小笠原弧に熱水活動のあった事を示唆しており重要である。またKAIKO計画で行なわれた海底の目視観察や堆積物,岩石は現在の海底での堆積物や岩石の現場での存在状態について極めて重要な指標を与えてくれた。これらの結果をもとにして中国大陸及び日本列島とその周辺全体の海域の堆積物の性質をまとめつつある。
|
Research Products
(16 results)
-
[Publications] Kantaro FUJIOKA: Initial Report of the DSDP.87. 703-723 (1986)
-
[Publications] Kantaro FUJIOKA;Eds.Nasu et al.,: Terra Science Pub.Co.Tokyo.in Formation of active ocean margins.423-442 (1986)
-
[Publications] Toshio FURUTA: Marine Geology. 72. 125-142 (1986)
-
[Publications] Kantaro FUJIOKA: Initial Report of the DSDP. 87. 695-701 (1986)
-
[Publications] 藤岡換太郎: 第2回「しんかい2000」研究シンポジウム. 1-9 (1986)
-
[Publications] 小川勇二郎: 月刊地球. 8. 258-265 (1986)
-
[Publications] 藤林孝司: 日本歯科医師会雑誌. 39. 697-710 (1986)
-
[Publications] 藤林孝司: Medical Immunology. 12. 845-846 (1986)
-
[Publications] 藤林孝司: 日本歯科医師会雑誌. 39. 257-266 (1986)
-
[Publications] 藤林孝司: アレルギーの臨床. 6. 242-243 (1986)
-
[Publications] 藤林孝司: Medical Immunology. 11. 247-248 (1986)
-
[Publications] 宮内重幸: 日本口腔外科学会雑誌. 32. 230-239 (1986)
-
[Publications] 藤岡換太郎他篇: "写真集日本列島周辺の海溝ー6000mの深海への旅ー" 東京大学出版会, (1987)
-
[Publications] 藤岡換太郎: "日本列島の地体構造論とプレートテクトニクス「関東地方」日本地誌ゼミナール【III】" 大明堂, 7)200(172-18 (1986)
-
[Publications] 新藤潤一,藤林孝司,中島民雄: "口腔外科症例集" 書林, 217 (1986)
-
[Publications] 藤林孝司: "歯科診療Q&A追録第8号(口腔粘膜の自己免疫疾患)" 六法出版, 2 (1986)