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1986 Fiscal Year Annual Research Report

土木事業の文明に果たす役割に関する史的研究

Research Project

Project/Area Number 61490018
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

黒田 勝彦  京大, 工学部, 助教授 (20026157)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 喜多 秀行  京都大学, 工学部, 助手 (50135521)
長尾 義三  日本大学, 理工学部, 教授 (60025773)
Keywords土木技術 / 土木事業 / 発展過程 / 文明の育成 / 制度・組織
Research Abstract

今年度は技術・制度・組織の発展過程に重点を置いて研究を進めた。研究を進めるに当たっては、史書ばかりでなく、文学書についても整理・考証し、技術の内容,伝承の方法,制度,組織,政治とのかかわり合いに焦点を当てて、市民文化の基盤として土木文明がどのように育成されてきたかをみた。1.技術について:古墳時代に入ると船舶技術の進歩によって半島との交流を盛んにすることが可能となり、それまでの原始的技術中心の様相は大きく変わった。この変化を含み、わが国の統治形態や生活様式は計4回にわたり激変していること、および、その間の安定期に古来の伝統的なものとの融合を図って日本固有の文化・技術が造り上げられたことを示し、もたらされた技術とそれを可能にした技術の両面から説明を試みた。
2.制度について:上述の激変期は、集団組織・制度が構築された時期でもあり、集団による大規模な土木事業がみられる。すなわち、古墳時代における大規模な治水・利水事業による農耕国家への移行とそれを基盤とする強力な王権の出現、奈良朝時代における税制の確立と社会資本整備の進展等である。3.組織について:激変期には国家中心の組織が形成されたが、その間の安定期は地方の時代、民力の時代とも呼称してよい時代である。例えば第4の激変期である明治時代には鉄道等国土開発の観点からの国直轄事業が多く行われるが、直前の江戸期には城下町の形成や農業整備などきめ細かい土木事業と細かい創意工夫に満ちた土木技術の開発が行われた等、組織と技術との間には密接な関連がみられる。
このように、各時代ごとに技術の種類,発展の度合,制度の変遷,組織の性質を考究してみると、国民の生活意識や国家統一のあり方とも深く関係し、欧米のそれとは大いに異なった経緯を持つことが明らかとなった。

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Published: 1988-11-09   Modified: 2016-04-21  

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