1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61490031
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小林 和正 日本大学, 人口研究所, 教授 (10167405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 俊夫 日本大学, 経済学部, 嘱託 (80102440)
小川 直宏 日本大学, 経済学部, 教授 (20139075)
南〓 善治 福島県立医科大学, 教授 (10045594)
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Keywords | 世代生命表 / 出生コーホート / 死亡率パターン / 生命表生残率 / センサス生残率 / 国勢調査 / 登録出生数 / 人口学的利用 |
Research Abstract |
日本のモデル生命表の作成に必要な基礎資料の収集と整備ならびにその作成法の基礎的研究に重点が置かれ, そのとるべき中心課題として, 過去約1世紀弱におよぶ日本における毎年の出生コーホートについての世代生命表を作成した. この日本人世代生命は, 国の公表の期間生命表に基づき, 毎年次の生命表を必要に応じ補間推計して整備したものである. こうして作成された世代生命表の人口学的利用性の基本を吟味するために一つには, 年齢別静止人口による生残率と, 国勢調査の年齢別人口による生残率との近似性を, 1920ー35年,1935ー85年, 1950ー85年ならびに1970ー95年の各4期間について検討し, 戦争出征世代の戦前戦後にかけての生残率を除けば, 両者は比較的よく一致することを見いだした. さらにセンサス人口に世代生命表の生残率を適用して, 過去の年次別出生数を推計し, 登録出生数との差異の程度をも検討し, ここにおいても, 差異の僅少であることが実証された. また, われわれの世代生命表作成法における年次生命表死亡率の利用方法に起因する出生コーホートの出生期間のあり方をも人口学的に明らかにした. 以上の結果を中間報告「日本の世代生命表」としてまとめた. 作成された世代生命表に基づいて, 各種の分析を試みた. 今年度は, 特に, 中高年の死率パターンの特徴について検討した. 見いだした問題点の一つは, 年齢各歳別生残率の比率が, 最近10年間がかりはきわめて不変的に推移していることで, これは死亡率の将来推計に大きな示唆を与えるものであろう. また, 1920年代前半生まれ世代に比べ, 同後半生まれ世代の死亡率の改善が停滞している傾向がみられ, なお詳細な検討の必要性が示唆される.
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