1986 Fiscal Year Annual Research Report
連続作業におけるパフォーマンス低下の抑止および回復条件に関する実験心理学的研究
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61510037
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長塚 康弘 新大, 人文学部, 教授 (20018170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 光太郎 新潟大学, 人文学部, 助手 (40179205)
本田 仁視 新潟大学, 人文学部, 助教授 (50124623)
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Keywords | パフオーマンスの低下 / 休憩効果 / 連続作用 / 別種作業附加の促進効果 / 復唱作業 / 覚醒水準 / モニタ効果 |
Research Abstract |
1.反応時間(RT)測定のパラダイムにより3刺激選択事態を設け、パフオーマンス(P)(RT,誤反応,動揺率)の変化の経過を検討する「統制実験」を行った。反応作業間に10.5秒と30秒の休止時間(刺激提示時間間隔・ISI)を置き、ISI2条件に10名ずつの被験者を割当て、120分間に各658回、241回の反応作業を行わせた。結果・(1)2条件ともに、RTが漸増する(Pの低下)傾向が生じた。120分の前後のRTには、2条件ともに約500ms.の差が生じた。(2)10.5秒群では620ms前後、30秒群では690ms前後の平均RTが示された。休止時間の長い場合に相対的なPの低下が大きくなることが示唆され、作業間のpassiveな休息はPに促進効果を及ぼすとは限らぬことが明らかになった。」2.反応作業間に別種作業を附加した場合のPの変化を検討する仮説検証実験を行った。別種作業とは、「実験者から口頭で与えられる自分のRTの聴取・復唱」である。それがKR効果と発声動作による聴覚的フイードバック効果を併せ持つ作業であると考えたので選んだ。但し、今回は、聴取・復唱作業はそれを行う30試行と行わない(統制条件と同じ内容の)30試行とを交互に行う形で導入した。復唱群での全体としてのPの促進傾向と復唱時30試行毎のPの促進傾向とを識別的に考察するためである。結果・(1)ISI2条件ともに、RTは各統制群のRTより早い時間で経過し、とくに10.5秒群では明らかな短縮化(Pの促進)傾向が示された。(2)10.5,30秒何れの場合にも聴取・復唱作業を行った30試行でのRTが明らかに短縮された(全体としてジグザグ型の経過曲線が得られた)。統計的解析により上記傾向は確められた。 3.モニタ(監視)の効果についての予備実験を行った。TVに自分の顔面が映し出される条件では、姿勢や表情に緊張が生じ、全体として覚醒水準維持の効果を示唆する資料が得られた。ポリグラフ解析では、作業開始20〜30分で徐波化傾向を示す者が見出された。
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