1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61510048
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
多屋 頼典 岡山大, 教養部, 助教授 (80033356)
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Keywords | 継時対比 / 時間特性 / インパルス・ファンクション / ビドウェル / 同時対比 |
Research Abstract |
1.同時対比の時間特性 灰色円を赤が囲むとき、中の灰色円は対比によって緑にみえる。この緑のみえるのに時間がどのくらい必要か。常識的には即座に、或いは1秒以内と考えられるが、実際に測定してみると、余り短い時間ではほとんどみえない。少なくとも10秒ぐらいまでは次第に緑が鮮やかになってゆく。 2.継時対比の時間特性(その1)「ビドウェルの円盤」といわれる円盤を回転させて、赤-白-黒の系列を反復提示すると、緑が点滅してみえる。これから継時対比の時間特性を測定した。緑の現われ方が不安定であり、最も好都合な条件でも提示時間の半分ぐらいしか緑がみえなかったが、大雑把な時間特性は把握できた。即ち、数百ミリ秒の単位で生じている現象であるらしい、現象の不安定性は反復提示からもたらされるものであろう。 3.継時対比の時間特性(その2)上記の研究より反復提示を避け、個々について検討した。暗黒中に先ず赤い円が2秒間提示され、数百ミリ秒のブランクの後に同じ位置に白い円が50ミリ秒提示される。被験者はこの白い円のみえについて報告する。変数は赤い円提示後に白い円が提示されるまでの間隔と、白い円の輝度である。白い円の輝度が高い場合には、白い円は常に緑にみえ、その程度は時間間隔と共に単調に減少してゆく。白い円の輝度が少し低い場合には、時間間隔が短い間は緑、少し長くなると赤、更に長くなると再び緑にみえる。単振動をくり返しながら次第に減衰してゆくのでフーリエ解析の手法を用いて分析できるであろう。白い円の輝度を更に下げると、時間間隔がごく短い間は緑にみえるが、大体は赤くみえる。 4.その他 シャッターをサイン・カーブに従って振らせ、光量の時間波形を扱える装置を作成した。今回の締切りには間にあわなかったが、今後はこれに取り組む予定である。
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[Publications] Raiten TAYA: Japanese Psychological Research.
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[Publications] 多屋頼典: 日本心理学会第50回大会発表論文集. 137 (1986)
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[Publications] 多屋頼典: 第20回知覚コロキウム. (1987)