1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61510061
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
春木 豊 早稲田大, 文学部, 教授 (80063551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 晶夫 立正大学, 教養部, 非常勤講師 (80162999)
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Keywords | ノンバーバル行動 / 姿勢 / パーソナル・スペース / ノンバーバル・コミュニケーション |
Research Abstract |
姿勢、パーソナル・スペースが被験者自身にどのような影響を及ぼすか、またその相手となる他者にどのような影響を及ぼすかを、意識性や臨場感に関してSD法を用いて評定し、多次元的に分析を試みた。 ○姿勢の場合:4種類の姿勢(自信,落胆,拒絶,標準)を実際にとった場合とイメージで同じ姿勢を思い浮かべた場合、それぞれの姿勢に応じて特徴的な意識性・気分がSD法による評定に認められた。姿勢間では姿勢の特徴はみられたが、実際に行動をした場合とイメージで同じ姿勢を思い浮かべた場合とでは、いくつかの評定尺度の中には差異はあったものの、大筋では行動した場合とイメージの場合とで差異はみられなかった。評定尺度の選択、意識性の測定方法の問題、状況の設定などに今後の課題が残された。 ○パーソナル・スペースの場合:パーソナル・スペースについては、従来からの徐々に近づくという極限法的測定方法をとらず、相手との距離をランダムにする恒常法的な方法により、気になる程度を測定した。各距離での気になる程度の平均値は直線的な関係が得られ、従来の結果と類似の傾向を示した。近づく者と近づかれる者の気分、意識性に相違がみられ、同性,異性の組み合わせにより気になる程度の評定に差がみられた。また、近づく実験を1回2回と繰り返すと、男女で気になる程度の変化の仕方が異なる傾向がみられた。本研究では、状況の設定、両者の地位関係、親和性などの要因については実験変数に加えなかったが、考慮すべき要因である。 ○今後の研究計画として、上記のような実験場面で課題として残された問題の追究と同時に、実際の現実場面でのノンバーバル行動の果す役割を検討するために、フィールドでの記録にVTRを活用し、様々な場面のノンバーバル行動を収集し、実際場面に近い場面設定での自己及び他者に及ぼすノンバーバル行動の影響を考えたい。
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