1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61510062
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
和氣 洋美 神奈川大学, 外国語学部, 助教授 (80122951)
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Keywords | 能動触 / 受動触 / 加齢の効果 / 触パターン認識 / コンピュータ・コントロール・オプタコン |
Research Abstract |
昨年度の研究に於て"ひらがな"の能動触に顕著な加齢の効果が認められ, 使用したマトリックス状の文字の中では大きな文字ほど速く正確に触読できることが判明した. 本年度は, この能動触モードで, 更に詳細に文字の大きさの効果を検討するため, 立体コピーによって7種の大きさの異なる浮き上がり文字の"ひらがな"を用意し, 晴眼被験者(大学生)と盲人高校生との結果を比較した. 文字高は最大で約170mm角, 最小が55mm角である. 文字が小さくなるにつれて可読時間が増し, 正答率は下がるという結果が得られたが, 両者を総合すると, 可読できると言える最小の文字は, 晴眼者では訓練なしで22mm角程度であるので, 何回かの訓練を行えば12mm角位の更に小さな文字も実際に触読できるようになるものと思われた. 盲人のデータは未だ出そろっていないが, 現在までの結果では, 日頃点字などで能動触に慣れているので更に小さい文字でも触読できるようである. 本年度の研究のもう一つの軸を成すテーマは, 受動触においても加齢の効果が認められるか否かを吟味することであった. そのために, 素子間隔が2mmと密に配列された新ため触パターン表示素子を入手し, 回路図を検討しながら自作の中間基板を開発すると共に, ディスプレイと基板とを接触するコネクターとインター・フェースとを作製して, 独自にパソコン(RC-9801VX)からのコンピュータ・コントロールに成功した. このディスプレイに300msの速度で左人差指の右から左の方向に列毎に任意の数字を流し, 7才から78才までの晴眼者と盲人高校生に触読させた, その結果, 受動触においても顕著な加齢の効果が認められた. 今後, 速度を変化させてこのディスプレイによる受動触の最適の速度を検討したり, アルファベットやカタカナ, ひらがなの研究も行い, 加齢の効果とその原因を追求して行く計画である.
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Research Products
(1 results)