• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1986 Fiscal Year Annual Research Report

奥行知覚の生理心理学的研究

Research Project

Project/Area Number 61510072
Research InstitutionTokyo Metropolitan Institute for Neuroscience

Principal Investigator

山口 清子  神経科学総研, その他, 研究員 (10073090)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 奥田 裕紀  (財)東京都神経科学総合研究所, 医学心理学部門, 主事研究員 (90177171)
Keywordsサルの奥行知覚 / 均一視野 / 下頭頂小葉 / 前頭葉弓状溝領野
Research Abstract

奥行知覚は、水晶体調節や両眼輻輳にともなう筋感覚や、左右の目に映る網膜像の差異等の情報が脳の中で処理され、統合されることによって生じる。この処理及び統合が脳のどこで、またどのように行われているかについては、不明な点が多い。我々は、これまでの研究で、サルの前頭葉内の弓状溝領野と頭頂葉内の下頭頂小葉が、空間知覚に関与していることを示してきたが、本研究では、これらの領野が奥行知覚においては、どのような役割を果しているかを検討することが目的である。
本年度は、被験体としてマカクザル6頭を用いた。これらのサルに奥行距離を判断する外的手がかりのない均一視野内で、種々の奥行距離に提示したレーズンの捕獲テストを行った。また比較のために、外的手がかりのある場面でも同様のテストを行った。テスト終了後、2頭に前頭葉弓状溝領野の、また他の2頭に下頭頂小葉の摘除手術を行った。残りの2頭は非手術対照群とした。手術後、手術前と同じ手続きで奥行知覚テストを行った。サルの反応行動は、観察記録すると同時に、ビデオ・テープに録画記録して、後で詳細に分析した。
その結果、下頭頂小葉を摘除されたサルで、均一視野内の手の届く距離に提示されたレーズンに対して顕著な把握障害が、また手の届かない距離に提示されたレーズンに対しても距離の誤判断が観察された。前頭葉弓状溝領野を摘除されたサルでは軽度の障害が観察されただけであった。下頭頂小葉摘除ザルでは、外的手がかりのある場面でも同様の障害が観察された。
本年度の実験の結果、下頭頂小葉の摘除によって顕著な奥行知覚障害が生じることが示されたが、来年度は、被験体の数を増して実験を行い、本年度の結果と合わせ検討して行きたい。

URL: 

Published: 1988-11-10   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi