1986 Fiscal Year Annual Research Report
山村社会の変貎と追跡調査による挙家離村者の生活の実態に関する研究
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61510079
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| Research Institution | Okayama University |
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Principal Investigator |
山口 素光 岡山大, 教育学部, 教授 (50019080)
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| Keywords | 山村社会 / 挙家離村 / 過疎化 / 移住 / 離村者の生活 / 母村 |
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| Research Abstract |
1.富山県東砺波郡平村及び婦負郡八尾町大長谷は種々の点で、対照的過疎山村である。昭和30年以来、平村では人口が約52%、世帯数が約21%の減少、大長谷では人口が約90%、世帯数が約74%の激減がみられる。前者は明治以来の行政村で、過疎地域にも指定され、積極的過疎対策が講じられてきたが、後者は30年代に合併により広域行政傘下に入り、過疎対策等に遅れを取り、学校・郵便局も閉鎖されて、廃村寸前の荒廃状態にある。
2.移住先の把握できた、昭和30年以来の挙家離村世帯は、平村で141戸、大長谷で176戸に及び、特に後者では現在60余戸の世帯が一応在村するが、実質的には離村している世帯も多い。これら離村世帯の移住先は、平村の場合に県外が約43%、特に大阪・京都が多い。ところが大長谷の場合は県外が約6%に過ぎず、大半が県内、特に八尾町内やその隣接地域が多い。
3.上記の挙家離村世帯及びその世帯員を対象に、離村の事情,離村前・後の生活の実態や生活意識,離村後の母村との関係等を究明するため調査票による追跡調査を実施した。平村の挙家離村世帯では141戸中約72%、大長谷の挙家離村世帯では176戸中約74%の世帯の調査票が回収できた。
4.本年度計画していた岡山県北の山村の実態調査は、僅かに苫田郡富村の過疎の実態に関する資料収集に留まった。この村の昭和30年以来の人口は約46%、世帯数は約15%の減少であるが、老人2人ないし1人暮しの世帯の激増が深刻な問題になっている。
5.以上の調査研究を踏えて、次年度は上記諸村についての補足調査に加えて、岡山県内の富村の外に、上斎原村,備中町等の実態調査、特にこれら岡山県内各山村からの挙家離村世帯及びその世帯員を対象とする、本年同様の追跡調査を実施し、その結果を本年度の調査結果と合せて、種々の角度から総合的な比較分折,検討を試みたい。
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