1986 Fiscal Year Annual Research Report
農業生産組織の展開と農業後継者問題に関する実証的研究
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61510095
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
多々良 翼 宮城学院女短, その他, 助教授 (20073306)
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Keywords | 農業後継者 |
Research Abstract |
1、本研究は、農業生産組織の生成・展開との関連で、農業後継者問題の諸相と問題点を、実証的に明らかにしようとするものである。昭和61年度中に、佐賀県東与賀町(2回)、長野県松本市(3回)の調査研究を実施した(一部は調査補助員を使用)。農業後継者問題については、(1)家業としての「農業 、(2)職業としての「農業 、(3)「家 (4)「村 の後継という4つの側面から、その諸相や問題を究明しようとこころみた。61年度の研究で得た、新らたな知見、成果は、おおよそ次の通りである。 2、(1)農業後継者問題は、地域の農業生産構造、農外労働市場条件、農政導入の仕組み、村落の社会構造、農民的リーダーシップのあり方等によって異なり、地域的な特質をもって展開していることが推測されること、(2)農業後継者問題は、家業としての「農業 の側面より、職業としての「農業 の側面からのアプローチがより重要な問題であり、「家 の後継(兼業、農業離脱を含む)と密接な関わりをもち、「村 (あるいは村落をこえた「地域 )の後継問題との関連も、視野に入れる必要性のあること、等が予測された。 3、(1)佐賀県東与賀町の場合は、農業集落の「ムラぐるみ の農業生産組織が展開し、(2)長野県松本市の場合は、有志による農業生産組織が展開し、後継者問題は、それぞれ特質をもった展開をみせている。従来実施してきた事例的研究を含め、後継者問題の類型化と課題を明らかにしうる感を深めつつある。 4、(1)まず、62年5月までに、松本市の事例研究を発展し、62年度には東与賀町の補遺、追跡調査も実施して比較分析を行ない、農業後継者問題の諸相を明らかにするとともに、できるだけ早い機会に、この問題についての類型化一般化を行ないたい。
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