1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61510103
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
竹田 正直 北海道大学, 教育学部, 教授 (80000636)
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Keywords | ソビエト教育史 / 十月革命前後期 / 子どもの生活と教育実践 / 在日ロシア人のききとり調査 / 革命期の子どもの体験 / ソビエト宗教教育の実態 |
Research Abstract |
本研究は、十月革命前後の子どもの生活と教育の実際について、子ども時代にロシアに在住し、今日、結婚等で日本に来ているロシア人の人びとからききとり調査を行い、文献・史料のみでは得られない、生き生きとした教育史研究を発展させることを目的として研究を行ってきた。 第一に、金沢市,長崎市,京都市及び道内など港町を中心に、在日ロシア人の発堀調査(ききとり承諾を含め)を行い、新たに、長崎市と京都市でききとり調査を行うことができた。 第二に、これまでききとりをした人びとについて補充調査を、神戸市,札幌市その他で行い、学校生活についての新たな知見と、とくに、子どもの遊びについての新たな調査を行うことができた。遊びについては、野球に似たラプタについて、地方毎に遊び方がちがうことが解り興味深かった。 第三に、十月革命前後の子どもの実態について、これまでは、マカーレンコの浮浪児収容所の実践を通してのみ知りえた、いわゆる非行の実態が、当時の社会調査などによる研究で新たに知ることができた。 第四に、これまでの研究成果の第一段階のまとめとして、二人のロシア人の十月革命前後の生活と学校の状態を、小学校と中学校,商業学校,校外活動,授業の内容と方法,遊びなどについて小論をまとめた。それは、「十月革命前後の学校と子どもたち」というテーマで、竹田正直編『教育改革と子どもの全面発達』(ナウカ社,1987年2月25日刊)に発表した。 今後、昭和62年度は、引つゞき、新たなロシア人の発堀調査とこれまでの調査の補充、そして、最終の研究成果の発表を行いたい。しかし、62年度の継続分の予算30万円(予定)では、いかにも僅少で残念であるが、精一杯努力したい。
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