1986 Fiscal Year Annual Research Report
間狂言古写台本の系統的研究-諸本の調査・収集と整理-
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61510222
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
田口 和夫 文教大, 公私立大学(その他), 教授 (30076773)
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Keywords | 間狂言 / コンピューター / 貞享松井本 / 貞享鞍貫本 / 伊藤源之丞吉高署名間狂言台本 |
Research Abstract |
基本的な調査は、ほぼその目的を達し、その一部を収集した。系統的整理の方法は一応のパターンを確立したが、なお細かい修正を要する。以下、研究計画に対応させて、成果・知見を記す。番号は、研究計画に記載した順序による。 1.パーソナルコンピューターNEC9801VM2、ならびに必要機器・ソフト類を導入し、まず、大蔵虎明間の本(古本能狂言)、野上記念法政大学能楽研究所蔵・貞享松井本、鴻山文庫蔵・貞享鞍貫本を例として、その系統的な整理分類の方法について研究をすすめた。その結果、一応のパターンを作ることができたが、なお細部の修正を必要としている。 2.法政大学能楽研究所所蔵間狂言伝書は、大蔵流16点、和泉流2点、鷺流3点、流派不明2点である。このうち、上記貞享松井本をはじめとする旧紀州藩狂言方伝来の諸本、『間二百十番』をはじめとする大蔵八右衛門派の諸本は、大蔵流間狂言の系統を考察するのに有益である。鴻山文庫所蔵諸本は、大蔵流10点、鷺流2点、不明7点である。これは大蔵虎清伝書2点や上記貞享鞍貫本などを含み貴重である。能楽研究所寄託水野文庫は、鷺流間の本5点を含む。年代的には新しい。 3.宮島の歴史民族資料館吉村氏寄託能楽関係文書のうち、間狂言台本を調査・収集することができた。伊藤源之丞吉高筆(署名)間狂言台本2冊をはじめとして、まとまった台本が10種ほど存在する。1枚程度のものも数えれば、計34点にのぼる。おおむね江戸後期の写本だが、地方の能楽を考察するためにも貴重な資料となっている。
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Research Products
(1 results)