1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61520023
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金沢 文雄 広島大, 法学部, 教授 (20033722)
|
Keywords | 脳死 / 臓器移植 / 尊厳死 / 胎児傷害 / 説明義務 / 人体実験 |
Research Abstract |
本研究は、現代の新しい学問分野として登場してきたバイオエシックスの諸問題を刑法学の立場から学際的に孝察し、いわばリーガル・バイオエシックスという新しい研究分野を開拓し、かつ、脳死や胎児傷害等々のわが国現代の緊急課題を解決することを目的としている。 本研究は昭和61年度と62年度の二年にわたるもので、第1年度は、バイオエシックスに関する欧米の文献を調査し入手することに重点をおいた。この分野の文献は当初予想していたよりもはるかに多く集積しており、その取捨選択にしばしば迷うほどであった。このため図書購入費が当初予定より増加し、他の費目から増加分を支出せねばならなかった。 研究の進展が世界的規模で、しかも、きわめて急速に進められており、月刊や週刊の雑誌による情報収集と、内外の学者と実務家との直接の情報および意見交換が是非必要であることが痛感された。この点で上智大学生命科学研究所のJ.マシア教授および同大学文学部のA.デーケン教授との交流がきわめて有益であった。また、西ドイツのフライブルグにあるマックス・プランク国際・外国刑法研究所長A.エーザー教授からしばしば有益な資料を送ってもらった。 研究成果としては、昭和61年5月11日に日本刑法学会ワークショップ「刑法における生命」で「脳死説の問題点とその生命の始期確定に与える影響」と題する報告を行ったほか、脳死問題や胎児傷害問題について執筆中である。
|
-
[Publications] 金澤文雄: 広島医学. 39巻6号. 943-944 (1986)
-
[Publications] 金澤文雄: 広島法学. 10巻4号. 27-40 (1987)
-
[Publications] アルフォンス・デーケン編: "死を考える,死への準備教育第3巻 (第四章死と法・法学を金澤執筆)" メヂカルフレンド社, 274(16) (1986)
-
[Publications] 金澤文雄: "阿南成一教授祝賀論文集 「脳死と法」" 創文社, (1987)