1986 Fiscal Year Annual Research Report
戦後期日本におけるアメリカ論の系譜-政治社会学的分析-
Project/Area Number |
61520035
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
藪野 祐三 北九州大, 法学部, 助教授 (10047730)
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Keywords | 世代論 / アメリカ観 / 戦後期日本 |
Research Abstract |
本研究は、1面接によって明らかにする方法、2日本で出版されたアメリカ論の整理の2つからなっているが、本年は特に1に焦点を当てた。その成果は次の通りである。 1世代構成 60代3人 50代4人 40代8人、30代2人 計17人 職業構成 メディア関係 7人 労働組合関係 5人 研究者 5人 地域構成 北九州または九州に関係のある人 11人 その他 6名 性別構成 男性 15人 女性 2人 2世代的特徴。60代と50代の間には、アメリカ観が大きく異なった。60代は戦争体験が強く、終戦時には20代で反米感情が強い。特に教育の効果が大きく、戦時中の反米教育の影響が強かった。それに対して50代は終戦を10代で迎えており、反米感情も単に頭だけの様相が強い。進駐軍への感情も60代には強い反感が聞きとれた。50代はアメリカへの同化が早くすすんだ経緯を聞きとれた。逆に40代には安保経験、30代後半にはベトナム反戦経験があり、反米感情が50年代に比べ少し強かった。 3職業的特徴。研究者(政治学中心)は当然アメリカへの関心が強かったがメディア関係の人々には予想したほどの関心を発見することはできなかった。労働組合(鉄工関係)にも予想したほどの関心はなかった。 4地域的特徴。北九州中心部は、韓鮮戦争、ベトナム戦争時にアメリカ関係の軍施設があり、アメリカへの関心は強かったが、九州に拡大すると(例えば鹿児島出身者)格段にその関心は薄くなった。 5性別的特徴。今回は米軍キャンプ労働経験のある女性に限ったので、当然関心は女性に高いものを見た。 6次年計画。アメリカ論の文献整理。面接の経済界への拡大。地域差をもう少しフォローする予定。
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[Publications] 薮野祐三: 北九州大学法学会「法政論集¨. 15-3号. (1987)
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[Publications] 薮野祐三: 北九州大学法学会「法政論集¨. 15-4号. (1988)
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[Publications] 薮野祐三: "先進社会の国際環響-日米関係を中心として-" 法律文化社, 250 (1989)