1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540015
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五味 健作 東大, 教養部, 助教授 (20012502)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 武 教養学部, 数学教室, 教授 (20012338)
斎藤 正彦 教養学部, 数学教室, 教授 (00012287)
藤崎 源二郎 教養学部, 数学教室, 教授 (20012289)
山崎 圭次郎 教養学部, 数学教室, 教授 (60012275)
杉浦 光夫 教養学部, 数学教室, 教授 (50012258)
|
Keywords | 有限単純群 / 標数2型の群 / pushing up |
Research Abstract |
今年度の主な成果はpushing up問題についての一定理である。群Fの有限部分群【G_1】【G_2】…【G_n】が共通の2部分群Sを持ち、各iにつきSのある部分群≠1がGiの正規部分群であるとする。このとき【G_1】…【G_n】の生成する群の中でSの部分群≠1が正規になり得るか?なり得ないとすれば各Giはどんな構造を持つか?というのがpushing up問題である。これは標数2型の有限単純群の分類の簡易化と関係し、現在盛んに研究されている問題である。代表者は特にn=2で、Sが【G_1】の2シロー群であり、Sは【G_2】の中で正規の場合を考察した。この場合、もしもSのある特性部分群C≠1が【G_1】の中で正規ならば、Cは【G_1】【G_2】の生成する群の中で正規である。従って次の問題へと導かれる:有限群Gの2シロー群Sの特性部分群≠1はどれもGの中で正規でないとき、Gの構造を調べよ。ただし、標数2型の群に適用することが目標であることより、【C_G】【O_2】(G))≦【O_2】(G)と仮定して良く、またある理由から、Sを含むGの極大部分群は唯ひとつに限ると仮定して良い。これらの条件の下で上記問題のGの構造を詳細に調べた。結果を正確に述べるには多くの述語の定義が必要なので大要をを述べるに止める。GL(【2^l】+1,【F_3】)の単項行列の作る群をその中心で割った群を【△_(2l+1)】で表し(l≧1),SL(3,【F(_2^m)】)の元で(3,1)成分,(3,2)成分が0、(3,3)成分が1であるものの作る群をRmで表す(m≧2)。問題の群GはG=S【H_1】【H_2】…【H_k】と表され、各H;(i=1,2,…,k)はどれも【△_(2l+1)】の中心拡大であるか、どれもRmの中心拡大であるかのどちらかであり、i≠jならばHiとHjの元は可換である。これが結果の概略であるが、実際はもっと精密なことが分かっている。この結果を単純群分類の改良に応用して行くことが今後の研究計画のひとつである。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 五味健作: Journal of Algebra. 102. 194-198 (1986)
-
[Publications] 五味健作: Journal of Algebra. 107. (1987)
-
[Publications] 近藤武: Nagoya Mathematical Journal. 101. 151-179 (1986)
-
[Publications] 藤田隆夫: Journal of Mathematical Society of Japan. 38. 19-37 (1986)
-
[Publications] 藤田隆夫: Proceedings of Japan Academy,Series A Mathematical Sciences. 62. 69-72 (1986)