1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540084
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 宏 東大, 理学部, 教授 (80011427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 昌男 東京大学, 理学部, 助手 (20174659)
増田 久弥 東京大学, 理学部, 教授 (10090523)
鈴木 貴 東京大学, 理学部, 講師 (40114516)
小松 彦三郎 東京大学, 理学部, 教授 (40011473)
伊藤 清三 東京大学, 理学部, 教授 (40011423)
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Keywords | 非線型問題 / 関数解析 / 自由境界 / 解の分枝 / 非線型固有値問題 / 逆問題 |
Research Abstract |
まず、特長的な非線型問題,とくに、現象の数理に由来する非線型問題に研究の焦点を合せた。その結果、次のように応用上の意義も深く、数学的手法の発展にも寄与する成果が得られた。 1.自由境界問題は支配する方程式が線型であっても領域が重ね合せを許さないため非線型性を呈する。とくに時間発展を追跡する初期値問題は興味が深い。当研究では球体の周りをめぐる流体の自由境界問題を関数解析的方法で精妙に調べると共に、数値的にシミュレートするスキームを開拓しかつ実施した。 2.非線型固有値問題とも言うべきbifurcationの解明にも大きな進歩があった。すなわち、微分幾何に密接な関係がある典型的な方程式 Δu+【λe^u】=0の解の枝について大局的な解析が成功した。 3.非線型方程式の境界値問題の解加複数に存在するための条件が領域の特性との関連で明らかにされた。細い回廊によってつながれた塊状領域における方程式Δu+f(u)=0の解の多様性および安定性の解析がそれである。 4.非線型方程式の解の正則性は事実の多様性および証明の困難さのいずれからも挑戦に値する問題である。これについてパラー微分作用素論の立場から大きな進歩がなされる。 5.古典的なスペクトル逆問題も非線型問題の一種である。これに関し、種々の対称性の仮定のもとにポテンシャルの決定に到る構成的な方法が開発された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 藤田宏,鈴木貴: Numer.Math.49. 529-544 (1986)
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[Publications] 鈴木貴: J.Math.Soc.Japan. 38. 39-65 (1986)
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[Publications] 山崎昌男: J.Fac.Sci.Univ.Tokyo,IA. 33. 131-174 (1986)