1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540114
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
草野 尚 広島大, 理学部, 教授 (70033868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深貝 暢良 広島大学, 理学部, 助手 (90175563)
柴 雅和 広島大学, 理学部, 助教授 (70025469)
内藤 学 広島大学, 理学部, 助教授 (00106791)
三村 昌泰 広島大学, 理学部, 教授 (50068128)
大春 愼之助 広島大学, 理学部, 教授 (40063721)
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Keywords | 非線形微分方程式 / 常微分方程式 / 偏微分方程式 / 解の定性的理論 / 非線形楕円型方程式の全域解 |
Research Abstract |
本研究補助金の交付を受けて、代表者と分担者は研究計画に従って活発に研究活動を行い、多くの意義ある成果を挙げ、所期の目的をほぼ完全に達成した。以下その概要を述べる。 1.常微分方程式に関する成果、草野・内藤は、【y^(11)】+?(t)【e^y】=0を含む2階常微分方程式の解の分類とその特徴付けを行った。草野は、米国のW・F・Trench教授の協力を得て、非共役微分作用素を含む高階非線形常微分方程式の大域的非振動解の漸近行動を詳細に研究し、予め指定された漸近挙動を持つ解が存在するための必要十分条件を与えた。柴は、種数有限の開リーマン面を同じ種数をもつ閉リーマン面に接続する問題を流体力学的観点から考究し、求める接続の存在とその定性的特質に関して新知見を得た。これは、複素領域の常微分方程式の定性的理論の変種として、非常に興味ある結果である。 2.偏微分方程式に関する成果、草野・大春は、△u+f(x,u,vu)=0の一様正なる有界全域解をsupersolution-subsolution法を用いて構成した。草野はさらに、この方程式が正の減衰解をもつ状況を明らかにした。草野・内藤は2階優線形楕円型方程式の解の振動性の系統的研究を提唱し、精密な振動定理を証明した。草野・内藤は、カナダのC・A・Swanson教授と共同して、高階の非線形楕円型方程式の全域解の存在と漸近行動を研究し、多様な漸近挙動をもつ解が不動点定理の適用によって構成されることを示した。これはこの方面の先端的画期的成果で、国際的な注目を集めるに違いない。 3.応用微分方程式に関する成果、深貝は、非線形場の理論に現われる2階非線形楕円型方程式の正値全域解の存在と一意性な関する新結果を得た。三村は、数理生物学、数理生態学に現われる非線形拡散型方程式の解の定性的研究に従事し、定常解の存在と安定性、自由境界の漸近行動等に関する注目すべき結果を数多く得る事に成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kusano: Journal of Mathematical Analysis and Applications. 113. 123-135 (1986)
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[Publications] N.Fukagai: Mathematische Annalen. 274. 75-93 (1986)
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[Publications] M.Shiba: Complex Variables:Theory and Applications. (1987)
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[Publications] T.Kusano: Hiroshima Mathematical Journal. 17. (1987)
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[Publications] T.Kusano: Proceedings of the Royal Society of Edinburgh. 103A. (1987)
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[Publications] T.Kusano: Funkcialaj Ekvacioj. 30. (1987)