1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540188
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
面高 俊宏 鹿大, 教養部, 助教授 (50129285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 哲夫 東京大学, 東京天文台野辺山宇宙電波観測所, 助手 (50134630)
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Keywords | 星生成 / 大質量星 / 分子線観測 / H【II】領域 / ブライトリム / 分子雲 / proto-stellar condensation / 衝撃波 |
Research Abstract |
我々は大質量星の卵捜しとして、昨年度はNRO45m鏡を用いて多くの領域の観測を行い、貴重な成果を得た。一番面白いのは45m鏡で、白鳥座の大質量星生成領域であるW58領域(距離9kpc)にある稠密H【II】領域であるK3-50の周りに"微分"回転している半径2.6pc、厚さ1pcの銀河系最大の回転ガス円盤を見つけた事である。これは非常に重要な発見で、大質量星誕生領域にこれ程大規模な、そして微分回転するガス円盤存在の有力な証拠が見つかったのは初めてで至急論文にし、又今後他の分子線での観測を意欲的に行いたいと思っている。更に生質量星誕生領域のW31,W30H,ON1領域等についても観測を行い現在整理中だが、面白い結果が得られた。これ等を更に詳しく分析すれば"原始星"形成時の密度構造、質量分布重力による収縮運動、更に収縮時における角運動量の放出、その輸送の仕方などにメスが入れられ、現在行き詰まっているproto-stellar condensationについての探索及び解明に重要な情報を与えてくれるものと考えられる(天文学会昭和61年秋季年会発表)。これ等の他に45m鏡を用いてブライトリム分子雲であるCepBやNGC281を観測し我々が既に報告しているオリオンブライトバーやM17の場合と同様な衝撃波によって加速されたと思われる分子雲をこの領域に見つけた(天文学会昭和61年春、秋季年会発表)。これは衝撃波が分子雲の圧縮に寄与する事を示しており、今後H【II】領域の膨張により発生した衝撃波領域に本当に星生成が引き起こされるほど有効な圧縮が起こるかの定量的な解析を行っている。以上述べてきたようにproto-stellar-condensationについて貴重な情報が得られたので、今後これを詳しく分析し、大質量星誕生のメカニズム及び大質量星の卵捜しを今年度は精力的に行いたいと考えている。
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Research Products
(1 results)