1988 Fiscal Year Annual Research Report
場の理論における低エネルギー定理とその応用についての研究
Project/Area Number |
61540189
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石川 健三 北海道大学, 理学部, 助教授 (90159690)
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Keywords | 低エネルギー定理 / 量子ホール効果 / QED / 局在 / Chern-Simons項 |
Research Abstract |
相互作用のある系での低エネルギー定理は、系の詳細によらない値が具体的に計算可能であり、かつ実験で観測可能である量に対して成立する時特に有役でありその持つ意味は大きい。本研究で詳しく研究された3次元フェルミ場の理論で成立する低エネルギー定理は、電圧に直交する方向での伝導度に対して成立する。伝導度は観測可能であるため、この低エネルギー定理は電気伝導現象に対して適用された。磁場中の電子系に対して新しい表現法を使うことにより、定理の証明が本研究で以前なされていたが、当該年度はこの方法が改善され具体的なホール伝導度の計算が可能となった。これにより我々の方法と今までの他の方法との比較も可能となり、また磁場中での電子系の場の理論が取り扱い易いものとなった。我々の方法では、局在の問題も比較的見通しよく取り扱われる。実際局在が起きることが示された。また4次元QED量子ホール効果への補正がないことも示された。量子ホール効果に対する低エネルギー定理がほとんど確立した。 また、3次元ゲージ理論の性質に関する研究も進行中であり、Chern-Simons項を持つゲージ理論の面白い古典解が得られており、また明白に共変な方法に基づく量子化が矛盾なく行なえることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Imai: Prog of Theovetical Physics. 81. Vel4 (1989)
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[Publications] W,-Y, Pauchy,Hwang: "Proceeding of Int.Spring Schorel on "Medium and High Energy Nuclear Physics"" Werld Scientific Pub, (1989)