1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540192
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坪田 博明 東北大, 教養部, 助教授 (70005792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉江 忠明 東北大学, 理学部原子核理学研究施設, 助手 (10124174)
菅原 真澄 東北大学, 理学部原子核理学研究施設, 教授 (30004287)
川添 良幸 東北大学, 情報教育センター, 助教授 (30091672)
前田 和茂 東北大学, 教養部, 助手 (20125652)
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Keywords | 原子核構造 / 同時計数法実験 / ガンマ線の多重極転移強度 |
Research Abstract |
γ線の多重極転移強度を正確に測定し、原子核構造についての重要な情報を得るため、本科研費の支給を得て、(e,e′γ)反応の同時計数実験装置を整備し、初期の計画通り、【C!12】の15.1 MeV準位からのγ線を用いて装置のテストを行い、更に【^(58)Ni】についての予備データを得た。61年度に行ったこれらの結果について報告する。本科研究で購入した2組のNaI検出器と、既存の検出器を合せて、5点の角度で同時に測定を行った。散乱電子は既設の磁気スペクトロメータ(30°)で測定した。今回はM1転移強度を測定するため、散乱平面上で2点、この平面に垂直な反応平面上で4点の角度で測定できるように(1点は共通)検出器を配置した。又数組の検出器を1つにまとめた遮蔽体を本科研費で製作し、バックグランドの軽減を計った。【^(12)C】の15.1MeV(【1^+】)準位から基底状態(【0^+】)への強いM1転移のγ線を用いて、装置のテストを行った。東北大学原子核理学研究施設の電子ストレッチャーから129MeVの連続電子線を202mg/【cm^2】の【^(12)C】板に照射し得られた同時計数の角度分布を図に示す。2回行われた測定の結果であるが、図の中の実線はM1転移の計算値で、誤差の範囲で実験値とよく一致しており、M1転移であることを示している。次いで【^(58)Ni】(49.9mg/【cm^2】)10MeV近傍から基底状態(【0^+】)へのγ線の予備測定を行った。その結果は、【^(58)Ni】核でも十分測定可能であることを示しており、62年度では、この核の5〜11MeV近傍からのM1転移を測定する予定である。又時間が許せば、S-d shell核のM1転移も測定する予定である。
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