1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540200
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂井 典佑 東京工大, 理学部, 助教授 (80108448)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲見 武夫 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授 (20012487)
磯 親 東京工業大学, 理学部, 教授 (90016030)
|
Keywords | 超弦理論 / 統一理論 / ホーキング輻射 / 超対称性 / 量子重力理論 |
Research Abstract |
超対称性弦模型が重力を含む全ての相互作用の統一理論となりうるかどうかを種々の角度から検討した。 まず重力場のもとでの場の量子論において、最もいちぢるしい現象のひとつである、いわゆるホーキング輻射を、弦理論において検討した。強い電場のもとでは電子対が生成されることは実験的にも理論的にもよく知られた事実である。これと同様に強い重力場のもとでは、各種の粒子が生成され、それらは熱平衡にあるかのようなエネルギー分布をする。この「ホーキング温度」は重力場の強さに比例している。一方、弦理論では熱平衡状態で或る限界温度以上に上げようとしても、決して越えることのできない限界温度(ハゲドロン温度)がある。具体的に弦模型を強い一様重力場中において計算してみると、「ホーキング温度」は「ハゲドロン温度」の1/πまでしか上げられず、可能な重力場の強さに制限があることがわかった。 さらに、低エネルギーでの有効相互作用を検討するために、超弦理論において、量子効果を具体的に1-ループまで計算した。その結果、弦のスロープ・パラメーターα'についての3次の補正項として有効作用に1-ループの補正が現れることがわかった。この結果は、各トポロジーのリーマン面毎に共形不変性を要請していた今までの弦模型の考え方に修正を迫まるものとなると考えられる。
|
Research Products
(2 results)