1986 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト中の金属微粒子および一次元原子鎖に関する結晶学的研究
Project/Area Number |
61540254
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺崎 治 東北大, 理学部, 助手 (30004401)
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Keywords | ゼオライト / 高分解能電子顕微鏡像 / セレニウム / 一次元原子鎖 / 制限された空間 / モルデナイト |
Research Abstract |
数多くあるゼオライトのなかから、大きな一次元系チャンネルを持つモルデナイトに、比較的低温(150〜400℃)で蒸気圧が高くかつ一次元原子鎖を作り易いと期待されるセレニウム(Se)の挿入を試みた。モルデナイトを脱水処理後、Se高蒸気圧下にさらすと、白色粉末のゼオライトは黄オレンジ色に変化する。この試料についてX線粉末回析および高分解能電子顕微鏡像観察を行なった。X線回析の結果によれば、Se処理後にバルクSeからの反射は見られず、ゼオライト骨組格子による各回析線の線巾は殆んど変化せず、格子定数のみが若干増加する。このことは、この処理によってSeはバルク結晶としてではなくゼオライトチャンネル内に骨組みを壊すことなく入っていることを示唆する。 この点を直接確かめることを目的に、東北大学百万ボルト電子顕微鏡を用いてチャンネルの方向である〔001〕入射で高分解能像観察を行なった。その結果、 1.Seは主チャンネルに鎖状で入る。 2.Seの入る領域と入らない領域があり、それはb軸に垂直に帯状に、平均として約100A°の巾で交互に存在する。 3.上記2つの領域を区別する要因として2種類あるモルデナイド結晶表面の形態が密接に関係している。 チャンネル中にあるSeの定量化およびその光学的性質、Seのチャンネル中での位置に関する情報を得るべく今後実験を行はう予定である。
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Research Products
(1 results)