1986 Fiscal Year Annual Research Report
偏光解析法による非線形光学応答における空間分散効果の研究
Project/Area Number |
61540272
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑田 真 東大, 理学部, 助手 (70161809)
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Keywords | 励起子分子2光子共鳴分散 / 非線形偏光解析 / 非線形偏光解消 / 空間分散効果 / 偏光安定性 |
Research Abstract |
1.非線形偏光解析法の開発と評価 本研究の手段であるパルス光源に用いることのできる偏光解析法の開発を行った。まず申請者がこれまでに行って来た回転1/4入・検光子法による装置の定量的評価を行いその結果を報告した(発表論文1)。その結果パルス光に約10%の強度ゆらぎのある場合でも0.5゜以内の精度で偏光パラメーターを決定できることが明らかになった。さらに、単発現象への応用を考え、ストリークカメラを用いた方法の開発を行った。光ファイバーを用いてマルチチャンネルの検出を行うことにより、単パルスの偏光状態を時間の関数として、決定できるシステムを製作した。その結果、非線形な変化を調べる上できわめて有効であることがわかったが、ストリークカメラのノイズとダイナミックレンジの制約により偏光パラメータの決定精度は前述の方法よりかなり悪くなってしまうことが明らかとなった。現在コンピュータによるオンライン化を行い、この欠点を補うための改良を行っている。 2.CuC1励起子分子2光子共鳴分散の測定 非線形光学応答における空間分散効果の検討の一例として、励起子分子の有限質量効果に基くものをとり上げた。共鳴分散の励起強度依存性を詳細に調べた所、1MW/【cm^2】以上の励起下で分散形状の著しい変化を見い出した。この効果を、空間分散効果と励起子分子準位幅の非線形変化を考慮したモデルにより定量的に検討している所である。 3.偏光解消効果と空間分散効果 これまでに、2光子共鳴近傍で、空間分散効果があると、直線偏光状態が、自発的に乱れるという理論的予測がいくつかのグループにより行なわれた。これを検証する為の実験を行った所、直線偏光状態が不安定であることを見い出した。(発表文献2)
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Research Products
(2 results)