1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540277
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川原 琢治 京大, 理学部, 助教授 (60027373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 道夫 京都大学, 理学部, 助手 (90166736)
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Keywords | カオス / ソリトン / 非線形発展方程式 / パルス相互作用 / 秩序解 / カオス解への遷移 / 空間的局在構造 / 非線形格子振動 |
Research Abstract |
本研究で取り扱った不安定性・散逸性・分散性を含む非線形発展方程式の初期値問題は、分散性が強い場合には一定振幅のソリトン列からなる秩序解(平衡解)を示し、分散性が弱い場合には不規則変動を伴うカオス解を示す。このような解の振舞においてパルス解が基本的な単位として重要な役割を果し、パルスの重ね合せとその相互作用によって秩序解からカオス解までの解の性質を統一的に説明できることを明らかにした。今年度得られた主な結果は次の通りである。1.初期値問題の時間発展を数値的に解き、秩序解からカオス解への遷移の様子を分散性の効果を変化させて調べた。さらに、元の非線形発展方程式のパルス型定常解を求め、初期値問題の結果がその重ね合せで表されることを示した。定常パルス解は、分散性が強い場合には左右の裾が指数関数的に単調減少するが、分散性の減少とともに非対称性を増し一方の裾が振動的に減衰するパルスへと移行する。互の裾を通してパルスが相互作用するという摂動近似を導入し、パルス構造の違いにより秩序解からカオス解への移行が起り得ることを理論的に示し、初期値問題の数値結果との一致を明らかにした。2.パルス相互作用の近似を多数のパルス列の場合に一般化し、パルスの配列間隔が非対称な力を受ける非線形格子振動方程式により近似的に記述されることを示した。この方程式は力が対称となる極限で積分可能な戸田格子に帰着するが、非対称性とカオス的振舞との関連について予備的な検討を行った。3.分散性が0の極限におけるカオスの統計的性質を数値的・理論的に調べ、エネルギー・スペクトルの構造がパルス的な空間的局在構造の存在を考慮することによって説明できることを示した。4.周期構造をもつ一般的な系の位相の力学を記述する非線形発展方程式を多重尺度展開法を用いて導出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 川原琢治: 日本流体力学会誌. 5. 172-173 (1986)
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[Publications] 藤定義: 物性研究. 46. 277-279 (1986)
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[Publications] M.Yamada: J.Phys.Soc.Japan. 55. 3059-3065 (1986)
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[Publications] S.Toh: J.Phys.Soc.Japan. 56. (1987)
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[Publications] T.Kawahara: Proc.IUTAM Symposium on Non-Linear Water Waves. (1987)