1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540286
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
萩原 幸男 東大, 地震研究所, 教授 (10012907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 修平 東京大学, 地震研究所, 助手 (30152078)
井筒屋 貞勝 東京大学, 地震研究所, 助手 (70012929)
長沢 工 東京大学, 地震研究所, 講師 (40012918)
村田 一郎 東京大学, 地震研究所, 助教授 (20012916)
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Keywords | 重力測定 / ブーゲー異常 / 重力異常 / 1931年西埼玉地震 / 活断層 / 震源断層 |
Research Abstract |
埼玉県西部に広く重力測定を実施し、深谷断層、櫛挽断層、今市-菅谷断層、江南断層、越生断層等の各断層に対応するブーゲー異常を得た。櫛挽断層は地表地形地質調査では5kmほどの長さとされているが、今回の重力測定によって、この断層は北西に兒玉町に延び、また南東には今市-菅谷断層と連続し、全長20kmに及ぶ大断層であることが判明した。 ABE(1974)はP波の初動解析により、1931年西埼玉地震(M7.0)の震源断層は兒玉町から櫛挽断層を経て、熊谷市南方へと延びる全長20kmの左横ずれ断層であるとした。重力測定によって確認した断層もこの震源断層と位置が同じであり、かつ長さが一致している。おそらくこれは1931年西埼玉地震の震源断層であると考えられる。左横ずれは櫛挽断層と今市-菅谷断層が接続する位置にあって、荒川の流路が左横ずれを示しているし、また重力異常のパターンからも左横ずれが認められる。 深谷断層の南東方向への延長は地表地形調査では判明しないが、重力調査によって熊谷市の南方で荒川を横断するところまで追跡できた。また江南断層は東松山市街地へ延長していることがわかり、比企丘陵と吉見丘陵とを2分している。越生断層は地表調査によって推定されていた位置よりも1kmほど東側に存在するらしい。 以上のように、今回の重力測定によって、従来の地形地質調査で判明しなかった断層の隠れた部分を明確にすることができたし、また兒玉町の断層、東松山市を通る断層のように、これ迄に知られていなかった断層の存在をつきとめることもできた。本研究計画の初年度から、極めて大きい成果が挙ったといえる。昭和62年度は飯能・川越に焦点をしぼって測定を進めたい。
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Research Products
(2 results)