1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540290
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 良和 京都大学, 理学部, 助手 (00025420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 駿 京都大学, 教養部, 助教授 (70156529)
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Keywords | 阿蘇火山 / カルデラ / 電気比抵抗 / ELF / VLF / ULF電磁波 / MT法 / マグマ溜り / 観測 |
Research Abstract |
阿蘇カルデラ内, およびその周辺193地点でELF帯及びVLF帯のMT観測を行ない, 一次元地下電気構造の解析を行った. ELF帯については, 8,14, 21Hzを用い, VLF帯では10.2KHz, 17.4KHzを利用した. これら5周波数の見掛比抵抗値から, 大地を水平成層構造の2あるいは3層とみなして電気構造を求めた. その結果 1.阿蘇カルデラ地域の電気的構造は, おおまかに50Ωm以下の低比抵抗層, 500Ωm以上の高比抵抗層, およびその中間の値の3つに分類できる. 低比抵抗層が浅部にみられる場所は温泉湧出地帯と中岳火口周辺であり, いずれも熱流量の大きい事と関係している. 高比抵抗層は基盤岩や変質を受けていない火山岩を代表するものと考えている. また中間の比抵抗値を示す層は含水率の大きい, 火山灰や砕屑物と対応する. 2.カルデラ南縁に低比抵抗帯が存在する. 3.500Ωm層上面の分布は阿蘇谷北部ではボーリングで見出された基盤に一致する. 4.高抵抗層を欠く地域がカルデラ内部に, 中央火口丘をとりまく様に存在する. 等の知見を得た. 本年までの観測・研究により地表下2Kmより浅い電気的構造が1Kmメッシュで求められた. これらの電気的構造と表層地質との対比研究を行なったが明瞭な対応は見出せてない. 南郷谷における長周期MTの解析から深度10Km以下に5Ωmの低比抵抗層が見出せておりマグマ溜りの存在を示唆するため, 現在その周辺に観測点を追加中である.
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Research Products
(1 results)