1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540343
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Research Institution | Mie Nursing College |
Principal Investigator |
田中 文夫 三重県看短, その他, 教授 (20022907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 典雄 名古屋大学, 医学部, 助手 (00144139)
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Keywords | DPPC / PyrーDPPE / 相転移 / ピレンスルホニル基のエキシマー生成機構 / ナノ秒パルス法 / 脂質二重膜界面 |
Research Abstract |
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)中に、Nー(1ーピレンスルホニル)ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(PyrーDPPE)を、1000:1,30:1,10:1のモル比の割合で標識した脂質二重膜を3種類調製した。これらの試料の吸収スペクトル、蛍光スペクトルおよび蛍光寿命を15℃から55℃の種々の温室で測定した。DyrーDPPEの濃度の高い30:1と10:1のモル比の脂脂二重膜では、ピレンスルホニル基の基底状態ダイマーが生成した。また、蛍光測定ではドレンスルホニル基が励起状態でエキシマーを生成し、エキシマーの蛍光強度のモノマーの蛍光強度に対する比の値が温度と共に減少し、特にDPPCの相転移温度(42℃)以下で大きく減少することが判明した。ピレンスルホニル基の蛍光寿命を解析したところ、モル比が1000:1の試料では単一の寿命成分を示したが他の試料ではモノマー,エキシマーの蛍光バンド共に2寿命成分をもつ。エキシマーの短寿命成分が負の値を示すことから、エキシマーはモノマーが励起された後、他の基底状態にあるモノマーと会合してエキシマーを生成することが判明した。一方、吸収バンドがモノマーと同じ波長領域であることから、モノマーとダイマーの両方を励起することになり、励起ダイマーからエキシマーが生成する過程も存在する。以上の結果から、DPPC中のピレンスルホニル基は脂質二重膜の界面でエキシマーが2つの過程で生成し、相転移温度以下では、その生成が著るしく阻害されることがわかった。また、脂質多重膜でも同様の研究を行い、エキシマーの生成量が二重膜に比べて多く、その理由について、現在膜構造の相異と関連させて検討中である。また、エキシマーの生成機構がヘビ毒であるカルジオトキシンの作用でどのように変化するかについても研究中である。
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Research Products
(1 results)