1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540365
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川島 隆幸 東大, 理学部, 助手 (80011766)
|
Keywords | Horner-Emmons反応 / α-トリメチルシリルアルキルホスホナート / β-ヒドロキシアルキルホスホナート / β,γ-エポキシアルキルホスホナート / オレフィン合成 / フッ化物イオン / カルボニル化合物 |
Research Abstract |
1.原料のジメチル=α-トリメチルシリルベンジルホスホナート(1○〜)および、ジメチル=トリメチルシリルメチルホスホナート(2○〜)は相当するリチオ体とクロロトリメチルシランとから合成した。まず、1○〜をTHF中、約2当量のCsF存在下、ベンズアルデヒドと反応させたところ、予期したように、Horner-Emmons反応が起こり、スチルベンが85%の収率で得られた。同様に、ベンゾフェノン,アセトフェノン,桂皮アルデヒド,シクロヘキサノンおよび、2-メチルプロピオンアルデヒドとの反応では相当するベンジリデン体がそれぞれ、79,67,67,35,および35%の収率で得られ、本反応の一般性を明らかにすることができた。一方、2○〜を用いて、ベンゾフェノンと反応させたところ、I,I-ジフェニルエチレン,ジメチルニ2,2-ジフェニルエテニルホスホナート,および、ジメチル=メチルホスホナートがそれぞれ、20,30,および、50%の収率で得られた。2.ジメチル=メチルホスホナートのα-リチオ体とカルボニル化合物から相当するβ-ヒドロキシホスホナートを合成し、DMF中、約3当量のCsFと処理すると相当するメチレン体が良好な収率で得られた。ベンゾフェノン,ジベンジルケトン,アセトフェノン,および、ドデカナールから得られたβ-ヒドロキシ体を用いると収率はそれぞれ、85,85,76および、62%であった。フッ化物イオン以外にも、炭酸カリウムやカリウムフェノキシドなどの比較的弱い塩基も有効であることが分かった。3.アリル,クロチルおよび、メタリルホスホナートをm-クロロ過安息香酸と反応させて相当するβ,γ-エポキシ体を高収率で得た。これらを触媒量のヨウ化第一銅存在下、臭化フェニル,I-ナフチルおよび、オクチルマグネシウムと反応させると、γ位を選択的に攻撃して、相当するβ-ヒドロキシホスホナートが69-83%の収率で得られることが分かった。
|
Research Products
(1 results)