1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540394
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋本 弘信 東京工大, 理学部, 助教授 (10016131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀戸 重臣 東京工業大学, 理学部, 助手 (00190257)
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Keywords | リポオリゴ糖 / エピトープ / オリゴ糖合成 / N-アシルカンソサミン / 官能基選択的脱アセチル化反応 / α-L-フコシル化反応 |
Research Abstract |
Mycobacterium kansasiiの抗原決定基と考えられている部分、すなわち、特異な分枝糖N-アシルカンソサミンを非還元末端にもち、これに続くフコースおよびキシロースから成る三糖部分の構造については、フコース部分の絶体配置およびキシロース部分以外のアノメリック位の立体配置について、未決定である。この三糖を適当なタンパク質と結合させ抗原性を測定しうるように8-メトキシカルボニルオクチル誘導体として合成した。この三糖誘導体では、内部にフコースが存在するため、複数の保護基を有するフコース誘導体の合成さらにその選択的脱保護が重要となった。前者については、D-グルコースより全収率11%で1,3-ジ-O-アセチル-2,4-ジ-0-ベンジル-L-フコースを合成した。後者については塩酸-メタノールを用いて、ベンゾイル基やブロム基の共存下でアセチル基を脱保護する新手法を開発した。これにより保護基に起因する制約を大幅に軽減することができた。またそれぞれの単糖間でのグリコシド化については、1-O-アセタートをグリコシル供与体とし、トリメチルシリルトリフラートを促進剤とする反応を用い、その2位に隣接基関与能のない置換基を有するN-アシルカンソサミンおよびフコースではα結合が、対照的に、2位に隣接基関与能のある置換基を有するキシロースではβ結合が、高選択的に生成することを明らかにした。合成した三糖誘導体の脱保護および抗原性の測定は現在進行中である。さらに糖鎖構造と抗原性との相関への興味から、還元末端側へオリゴ糖鎖を伸長する目的で、選択的に脱保護が可能なアリル基を還元末端に有するフコシルキシロース誘導体の合成も検討した。ここではフコシルブロミド誘導体をグリコシル供与体とし、シアン化水銀を促進剤として用いる反応を用いα結合が選択的に生成することを明らかにした。
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[Publications] J.Yoshimura;A.Aqeel;K.Sato;R.B.Singh;H.Hashimoto: Carbohydr.Res.(1987)
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[Publications] A.Aqeel;K.Sato;H.Hashimoto;J.Yoshimura: J.Carbohydr.Chem.(1987)
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[Publications] A.Aqeel;Y.Ida;K.Sato;H.Hashimoto;J.Yoshimura: J.Carbohydr.Chem.(1987)