1986 Fiscal Year Annual Research Report
溶液中における種々のクラウンエーテルと金属イオンとの錯体に関する研究
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61540438
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
武田 裕行 千葉大, 理学部, 助手 (30111412)
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Keywords | 溶媒抽出 / 熱力学的パラメーター / イオン対抽出 / ピクリン酸テトラアルキルアンモニウム / 18-クラウン-6 / アルカリ金属ピクリン酸塩 / ベンゼン構造破壊因子 / 構造形成因子 |
Research Abstract |
ベンゼン/水間で、温度変化法により次の3つの系の熱力学的パラメーター(ΔH(エンタルピー変化),ΔS(エントロピー変化))を決定した。(1)ピクリン酸陰イオン(【A^-】)によるテトラアルキルアンモニウムイオン(【R_4】【N^+】;R=Me,Et,Pr,Bu)のイオン対抽出。(2)18-クラウン-6(18C6)によるアルカリ金属(Na,K,Rb,Cs)ピクリン酸塩の抽出。(3)18C6自身の分配。ここで、Me,Et,Pr,Buはそれぞれメチル,エチル,プロピル,ブチル基を示す。ベンゼン相へ抽出されたすべての18C6錯体は、1:1:1錯体(アルカリ金属イオン(【M^+】:18C6:【A^-】)であった。MAの18C6による抽出のΔHおよびΔSは、いずれもすべての系で負の値を示した。【R_4】NAのイオン対抽出のΔG,ΔH,ΔSを、【R_4】【N^+】中の炭素原子数に対してplotした結果、いずれのパラメーターについても極めて良好な直線関係が得られた。ここで、ΔGはGibbsの自由エネルギーを示す。このことから、-【CH_2】-について、ΔG,ΔH,ΔSのいずれについても加成性が成立することが示される。【A^-】による18C6-【M^+】錯体のイオン対抽出のエンタルピー変化(△Hip)とエントロピー変化(ΔSip)の値を、(2)と(3)のdataを用いて算出した。ΔHipおよびΔSipの値は、いずれも、アルカリ金属イオンの種類によってかなり変化している。18C6-【K^+】錯体と【Bu_4】【N^+】との大きさは、ほぼ等しいにもかかわらず、ΔHip(18C6-【K^+】)<0,ΔHip(【Bu_4】【N^+】)>0,ΔSip(18C6-【K^+】)【〜!〜】0,△Sip【Bu_4】【N^+】)>>0であり、なおかつピクリン酸陰イオンによるイオン対抽出は、18C6-【K^+】錯体では、完全にエンタルピー支配で、【Bu_4】【N^+】は、完全にエントロピー支配であるという極めて対照的な結果が得られた。【Bu_4】【N^+】が水溶液中で、構造形成因子として作用することから推定して、18C6-【K^+】錯体は、水溶液中で構造破壊因子として作用しているものと思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuyuki TAKEDA;Akio TANAKA: Bulletin of the Chemical Society of Japan. 59. 733-735 (1986)
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[Publications] Yasuyuki TAKEDA;Yoshiki MATSUMOTO: Bulletin of the Chemical Society of Japan. 60. (1987)