1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540467
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
定家 義人 遺伝研, その他, 助教授 (40000252)
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Keywords | 枯草菌 / 細胞分裂 / 胞子形成 / 蛋白分泌 / クローニング |
Research Abstract |
枯草菌の細胞分裂、胞子形成開始、蛋白分泌、形質転換能の発現等に共通して機能すると考えられる遺伝子div-341を溶原ファージ【P_(11)】にクローニングした。野生株染色体DNAをBamHIで切断後、電気泳動法によりdiv-【341^+】活性を持つDNA画分を得て、Bgl【II】で切断した【P_(11)】ファージDNAと再結合させた。これを、div-341株で【P_(11)】を有する溶原菌のコンピテント細胞とまぜ、【Div^+】となった形質転換体を得た。この中から、div-341を特殊形質導入するファージ【P_(11)】を持つクローンを4株得た。そのうち、ヘルパーファージを必要としない自己増殖能を持つものがありこれを【P_(11)】div-【341^+】とした。Bgl【II】で切断することによって生ずる断片のうち、【P_(11)】になくて、【P_(11)】div-【341^+】にあり、かつdiv-【341^+】形質転換活性を持つ、約6kbのDNA断片を【P_(11)】を用いた方法で再クローンした処、高い効率でクローン化出来たので、このBgl【II】で【P_(11)】-div-【341^+】から切り出される6kbのDNA断片上には完全な形でdiv-【341^+】遺伝子がのっていることが分った。このDNA断片の構造解析を行なうべく、多コピープラスミッドや他のファージの系へ移す努力をしたが今の処、不成功におわっている。 このdiv-341遺伝子はuvrAと分泌を高める変異sac【U^h】(又はpap)の中間にあり、双方に強く連鎖しており、フラジェラの生成に関与する変異もこの近傍にあるので、この遺伝子を含むDNAの構造解析が出来れば、div-341のもつ多面性の機構ばかりでなく、この細菌の細胞表層に関与する遺伝子群の役割の解明に資するものと思われる。
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