1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540470
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
生嶋 功 千葉大, 理学部, 教授 (20009046)
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Keywords | オオカナダモ / Egeria densa / 定着機構 / 最適温度 / 貯蔵デンプン / 夏型植物 / 冬型植物 |
Research Abstract |
オオカナダモ(Egeria densa)は水底温度が15℃よりも高くなると、根をつけたシュートは伸長成長を開始した。植物体の現存量は8月に最大値をとり、さらに12-1月に増大する2山型を示した。これは植物が夏型と冬型をもち、それぞれ固有の成長をすることによって起ったものであろう。8〜32℃で植物を培養した結果、21℃で最大成長率(RGR)をとることが確認された。3,8および12月における光合成と呼吸速度を葉と茎にわけて測定した。この測定は新しく開発した小型酸素電極の利用によった。夏型植物の純光合成速度の最適温度は【C_4】植物にみられるように35℃と高いものであった。夏〜冬にみられた光合成-水温曲線を検討したところ、光合成速度はそれぞれの時期の水温に適応していることがわかった。オオカナダモは短いシュートの冬型植物で越冬する。このとき、葉および茎には大量の貯蔵デンプンがそれぞれの乾重の25.4%および22.6%しめていることがわかった。この大量畜積が越冬期間の物質収支に強く関連し、春になるとクロモなどの在来植物に先がけて成長を開始し、ただちに自分の空間を占有できることが新しい生活地に定着しうる鍵となっていると考察した。(中間報告)
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