1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540473
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺井 久慈 名大, 水圈科学研究所, 助手 (10023855)
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Keywords | 蛍光抗体法 / 脱窒菌 / 脱窒活性 / 深見池 / 木崎湖 / 溶存酸素・酸化環元電位制御培養系 |
Research Abstract |
昭和61年度は3〜7月深見池で7回、10〜11月木崎湖で3回の野外観測を実施し、現場における脱窒活性を測定すると共に、栄養塩等の分析試料・脱窒菌計数同定試料を採取保存した。深見池における脱窒は前年度と同様に4月初旬から始まり5月初旬にかけて活性と菌数が増加した。しかしその後脱窒活性は6月中旬まで著しく低下して、6月下旬から7月下旬にかけて再び増加する推移を示した。これは5月から6月にかけて例年になく降水量が少なく湖水中の栄養塩が凅渇したことによる。脱窒活性が【NO(^__3)】濃度により制御されていたことは【NO(^__3)】添加による現場活性測定においても確認された。木崎湖の観測結果については現在試料分析中である。この間、深見池における脱窒活性極大層(1985年7月3.5-4.5m)からの分離脱窒菌23株中7株を抗原菌に選びウサギを用いて抗血清を調製した。得られた抗血清は1:80〜1:1,280の抗体価を持ち、7種抗血清で23株中12株と交叉反応を示した。一方、蛍光抗体法による現場湖水中の標的菌種の直接計数法を確立するために、脱窒菌ではないが諏訪湖における分布や優占度を把握している従属栄養細菌6株に対する抗血清を調製し(抗体価1:10〜1:320)、濃縮方法および非特異的蛍光消去法等を検討した。その結果、3μmフィルター前処理およびゼラチン処理により全菌数【10^7】cells/mlの湖水の濃縮率を2.5倍にしても抗原菌種が【10^3】cells/ml存在すれば計数可能であり、事実諏訪湖試料については菌種によりそのレベルで湖水中に存在することが確認された。この方法により現在深見池において採取固定した試料について脱窒菌を直接計数するとともに、最確値法により陽性判定された脱窒菌試料について菌種の同定を行なっている。また本年度予備実験を行う予定で購入した備品(溶存酸素自動制御システム、高精度デジタルPH・mvメータ)についてはDO・ORP制御培養系の組立てを行ったが本格的実験は62年度の課題である。
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[Publications] Kuroda,Nobuo;Terai,Hisayoshi;Sakamoto,Mitsuru: Bulltin of Japanese Society of Microbial Ecology. (1987)