1986 Fiscal Year Annual Research Report
沖繩サンゴ礁海域における底生生物の群集構造に及ぼすナガウニの生物侵食作用の影響
Project/Area Number |
61540476
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
土屋 誠 琉大, 理学部, 助教授 (40108460)
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Keywords | ナガウニ / 2型 / サンゴ礁 / 群集構造 / 生物侵食作用 / 活動パターン |
Research Abstract |
1.主として礁池内に生息しているナガウニのタイプA、および礁縁部で穴居しているタイプBの分布パターンを異なった季節に調査したが、顕著な季節的変動は認められなかった。 2.両タイプの活動パターンには明瞭な差が認められた。すなわちタイプAに属するウニは夜間頻繁に徘徊し、摂食活動をする。一定区域内の個体を除去しても、24時間後には多数の個体の侵入が観察できる。一方、タイプBのウニは穴から出ないことが予想される。例えば1m×1mの区域(40〜70個体が穴居)から全てのウニを除去した場合、3ケ月間は再侵入が認められなかった。1年後の観察においても1〜5個体が見られるだけである。タイプBのウニは穴がほられていないタイドプールにも生息しているが、そのような場所では夜間の満潮時に徘徊することが確認された。 3.ウニを除去した調査域において海藻の繁茂状態を観察した。穴がない場所では海藻の生育は認められなかった。礁縁部の穴が豊富にある地域においては、穴の内部における海藻の繁茂は顕著ではなかったが、穴の外はウニの有無にかゝわらず海藻が生育していた。 4.ナガウニによる生物侵食量の測定:測定方法を確立するためさまざまな実験を実施したが、野外における測定は極めて困難であり、室内実験で解明しなければならないことを確認した。侵食量は糞中に含まれているCa【CO_3】量を測定することで推定できる。 5.調査中、ナガウニに寄生している巻貝、ナガウニを捕食している巻貝を発見した。 6.最近、タイプC,Dの存在が報告されているので、それらの生態分布,行動についての予備調査を実施した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tsuchiya,Makoto: Galaxea. 5. 283-294 (1986)
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[Publications] 土屋誠: "沖縄のサンゴ礁 第7章サンゴ礁の生物たち-1 -浜下りを楽しむ場所・潮間帯の生物-" 琉球大学公開講座委員会, 197 (1986)
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[Publications] 酒井一彦: "沖縄のサンゴ礁 第8章サンゴ礁の生物たち-2 -ダイビングで見る世界・海中の動物たち-" 琉球大学公開講座委員会, 197 (1986)