1986 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体チラコイド膜におけるフェレドキシン-NADP還元酵素の結合機構
Project/Area Number |
61540487
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
新 勝光 神戸大, 理学部, 助教授 (50071402)
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Keywords | 葉緑体 / チラコイド膜 / フエレドキシン-NADP還元酵素 / 結合機構 |
Research Abstract |
分子量33000を持つ低分子量型フエレドキシン-NADP還元酵素(以下FNRと略す)を2分子結合させて、分子量75000を持つ高分子量型FNRを形成する蛋白質として見出されたコネクテインが、FNRをチラコイド膜に下図(1)に示す様式で結合するとして先に報告した。すなわち、FNRはコネクテインを介してチラコイド膜上に想定されるベース蛋白質に結合するというものである。しかし、この結合様式ではコネクテインを介するFNRの再結合が0.35M食塩中で行なわれ、40%飽和硫安では遊離することや、40%飽和硫安で遊離したFNRの殆んどが高分子量型であることなどの実験事実を矛盾なく説明することが難しい。そこで図(2)のような様式を考えたが、高分子量型FNRが0.35M食塩中でチラコイド膜に実際に結合し得ることを証明することが必要となった。 そこで、精製した低分子量型FNRとコネクテインを高塩条件下でインキユベートして、まず、高分子型FNRを作る。このFNRとFNRを除去したチラコイド膜とを0.35M食塩中でインキユベートしてから遠心分離して、チラコイド膜を集め、再構成チラコイド膜を作った。再構成チラコイド膜のNADP光還元活性はFNR除去チラコイド膜のそれと比べると著るしく高くなっており高分子量型FNRがチラコイド膜に結合したことが示された。したがってFNRとチラコイド膜との結合は図(2)のように行なわれると考えることが出来る。
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