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1986 Fiscal Year Annual Research Report

日本亜熱帯域の植物地理学的解析

Research Project

Project/Area Number 61540503
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

村田 源  京大, 理学部, 講師 (20025315)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小山 博滋  京都大学, 理学部, 助教授 (90000132)
Keywords植物地理 / 亜熱帯 / ニッケイ
Research Abstract

西表島,石垣島,沖縄島に現地調査を行った。この調査にて得た資料標本はせき葉標本として京都大学理学部植物学教室の標本庫に、比較研究用資料として収蔵した。東京大学,国立科学博物館,鹿児島大学,琉球大学を訪問してクスノキ科,ブナ科,シソ科,キク科などを中心に、標本庫に収蔵されている標本を検討した。京都大学に集められた資料標本と共に、分類学的比較研究を行った結果、タイのキク科植物については、タイ国産キク科植物の分類学的研究という標題で、植物分類地理37巻に発表した。
クスノキ科では亜熱帯域に多いクスノキ属Cinnamomumを中心に、日本,中国,東南アジア,ヒマラヤ等関連地域の標本を検討した。その結果日本で古くから桂皮の名のもとに芳香健胃薬及びヤツハシなどに色と香りをつける香料として広く用いられていたニッケイに関し新しい智見を得た。即ち肉桂はC loureiriとして中国から伝えられたとされていた説は誤りであり、中国で桂皮または牡桂として用いられていたのはC.cassiaで広東,広西,雲南,福建に分布し、日本のニッケイとは別物であるとする説が正しいこと確認した。また、和歌山県,高知県あたりで過去に大量に栽培されたことのあるニッケイは、C.sieboldii Maesnの学名を当てるべきであることは、従来の研究で明らかにされてきたが、上記の状況からこのニッケイの原産がどこなのか不明であった。最近オキナワニッケイC.okinawaense Hatusimaが中国の肉桂と比較して別のものであるとして、沖縄島北部,久米島,徳の島にあることが報告された。この正体を確めるべく、沖縄島北部のヤンバル地方を現地調査したところ、オキナワニッケイと認識されてこの地方の山中に野生しているものが、実は日本南部でニッケイとして栽培されていたC.siebaldii Meisn.そのものであって、結局不明であったニッケイの原産地がわかった。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Hiroshige Koyama: 植物分類地理. 37. 111-116 (1986)

URL: 

Published: 1988-11-09   Modified: 2016-04-21  

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