1986 Fiscal Year Annual Research Report
Hypomyces属(子のう菌)およびその近縁属の分生子形成法の研究
Project/Area Number |
61540508
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Research Institution | National Museum of Nature and Science,Tokyo |
Principal Investigator |
土居 祥兌 科博, その他, その他 (10000134)
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Keywords | Hypomyces / 分生子形成法 / Hypocreales / retrogressive conidiogenesis / phialidic / Teleomorph-anamorph connection |
Research Abstract |
本年度採集したHypomyces属の菌株中で、分生子型パターンが異なる可能性のある8種12菌株および当属に関連があるとされるArachnocrea属のA.substipata,Hypocrea属のH.pallidaについて分生子形成法を追跡研究した。分生子形成法の追跡は、昨年までに開発したスライド培養法の変法を用い、微分干渉顕微鏡下で観察した。その結果、Hypomyces属の多くの種はretrogressive型の分生子形成法を行い、(1)Trichothecium型(2)Cladobotryum型(3)Didymocladium型(4)Cladobotryum〜Verticillium型の4型があることが明らかになった。この4型のうち、(4)は昨年明らかにしたArachnocrea substipata Doiの分生子形成法と一致し、多くの分生子形成細胞はretrogressiveであるが一部の細胞の先端には下図(4)Cのようなpericlinal thickeningがみられ、phialidicと考えられる形成法を示した。4分生子形成法の概念図を下に記す。この分生子形成法4型はHypomyces属の属内分類にとって重要な形質と考えられる。今後有性時代諸形質との相関性を確かめた上で当属の属内部類に用いることを検討したい。 以上の結果から、Hypomyces属は少くともArachnocrea属を介して肉座菌目中のProtocrea属やHypocrea属Homalocrea節と類縁が近いと考えられる。一方Hypomyces属は麦角菌目に入れるべきだとの説も強く、これについては今後麦角菌目のCordyceps属やその分生子時代と考えられるIsaria属の分生子形成法を研究する必要がある。
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