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1986 Fiscal Year Annual Research Report

昆虫血液中のリポタンパク質(リポフォリン)の構造

Research Project

Project/Area Number 61540509
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

片桐 千仞  北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (90002245)

Keywords昆虫血液 / リポタンパク質 / リポフォリン / ジグリセリド / 炭化水素 / X線小角散乱法
Research Abstract

リポフォリンは、昆虫の血液にあって脂質輸送に携わるリポタンパク質である。水に溶けない脂質を血液を介して輸送するためにリポフォリンが、どのような構造をとっているかを明らかにするのが、本研究の出発点である。既に、リン脂質とアポタンパク質がリポフォリンの表層にあり、炭化水素が内部コアを形成していることが、明らかになっている。炭化水素はリポフォリンによって、昆虫の体表に運ばれ、昆虫を乾燥から護るのに寄与している。さて、今年度は、X線小角散乱法によって、リポフォリンが本当に、表層や内部コアをもつ構造をとるのかを調べた。また、リポフォリンの主要構成脂質の1つであるジグリセリド(エネルギー源として運ばれる)のリポフォリン中での分布も調べた。ゴキブリ、バッタ、シンジュ蚕のリポフォリンの小角散乱像を較べてみると、炭化水素をもつゴキブリやバッタのものと、もたないシンジュ蚕とでは明らかな違いがあった。シンジュ蚕のリポフォリンの内部は電子密度がほぼ一様であったが、ゴキブリやバッタの場合、電子密度の異なる領域が存在する。そこで、ゴキブリやバッタのリポフォリンを完全な球とし、電子密度の異なる領域が中心対称的に存在すると仮定してシミュレーションを行った。すると、表層に電子密度の高い層、中心に電子密度の低いコア、両者の間に電子密度がほぼその中間の層をもつモデルが浮かび上がってきた。リポフォリンの構成員の電子密度を調べると、表層には、リン脂質とアポタンパク質、内部コアには炭化水素が相当した。こうして、X線小角散乱法によっても表層の存在と、炭化水素の内部コアの存在が確められた。ところで、中間層の電子密度は、ほぼジグリセリドのそれに近いのである。こうして、リポフォリンの三層構造モデルを提出した。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Chihiro Katagiri: J.Biol.Chem.

URL: 

Published: 1988-11-09   Modified: 2016-04-21  

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