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1986 Fiscal Year Annual Research Report

マウスの奇形腫を用いた生殖細胞腫瘍化の発生遺伝学的研究

Research Project

Project/Area Number 61540516
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

野口 基子  静大, 理学部, 講師 (40021951)

Keywords精巣性奇形腫 / 精巣性奇形腫高発系統マウス / 129 / Sv-ter系統マウス / 始原生殖細胞 / 生殖細胞欠損 / 劣性突然変異遺伝子ter / terコンジェニック系統 / 生殖細胞腫瘍化
Research Abstract

マウスには、胎仔精巣の始原生殖細胞が初期胚様細胞に変り、奇形腫が形成されることがある(Stevens)。129/Sv-ter系統マウスには、劣性突然変異遺伝子terが存在し、terホモ型雄では生殖細胞の欠損と精巣性奇形腫の形成が非常に高率におこる、(Noguchi,T&Noguchi,M)。そこで、このter遺伝子が生殖細胞の腫瘍化にどのようにかかわるかを明らかにするために、本年度は、1.ter遺伝子が生殖細胞の欠損や腫瘍化に、発生のどの段階にどの部域で発現するか。2.ter遺伝子は、自然には精巣性奇形腫を発症しない系統のC57BL/6J等に129/Sv-terから交配導入された場合、いかなる発現をするか。の2点に重点をおいて発生遺伝学的解析を行い、以下の成果を拳げた。なお腫瘍化する始原生殖細胞の検出は62年度へ引き続く。
1.129/Sv-terの+/ter同士を交配し、その胎仔を日令を追って全始原生殖細胞数を個体ごとに集計した結果、始原生殖細胞の出現時には差は認められなかったが、移動時期の後腸内や腸間膜内および精巣原基への移入前後には激減している胎仔が約25%存在していた。この比率からこれらの胎仔はterホモ型と判断できる。従ってter遺伝子の発現は発生の早期におき、生殖細胞欠損と精巣内での奇形腫化は別の時期におこっていることが明らかとなった。
2.129/Sv-terの+/terをC57BL/6Jへ交配しF1=N1としてC57BL/6-terコンジェニック系統を育成しながら各世代の+/terと129/Sv-terのt/terを交配し、それらの仔の生殖細胞欠損とterホモ型雄での奇形腫発症率を調べた。N1からN5世代まで奇形腫発症率は半減を続け、N6〜N9ではゼロになった。しかし、生殖細胞欠損はほぼ25%の率で検出された。この事実から、terは、生殖細胞欠損を129/Svの遺伝的背景と無関係におこすが、奇形腫化にはこの背景が重要であることが解った。

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] Noguchi,Motoko: Development.

  • [Publications] Noguchi,Motoko: J.N.C.I.

  • [Publications] 野口基子著,野口武彦,村松喬 編: "マウステラトーマの生物学「マウスのテラトーマ」EC細胞による哺乳動物の実験発生学" 理工学社, 40 (1987)

  • [Publications] 野口基子著,野口武彦,村松喬 編: "テラトカルシノーマの誘発と継代移植の方法「マウスのテラトーマ」" 理工学社, 9 (1987)

URL: 

Published: 1988-11-09   Modified: 2016-04-21  

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