1986 Fiscal Year Annual Research Report
プテリジン補酵素による神経伝達物質モノアミン生成のcontrol機構
Project/Area Number |
61540529
|
Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
加藤 節子 城西歯大, 歯学部, 助教授 (50049376)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末岡 照美 城西歯科大学, 歯学部, 助手 (10049439)
|
Keywords | テトラヒドロビオプテリン / モノアミン生成調節機構 / 補酵素生合成経路 / セピアプテリン還元酵素 / N-アセチルセロトニン非感受性イソメラーゼ活性 |
Research Abstract |
プテノジン補酵素テトラヒドロビオプテリン(B【H_4】)はカテコールアミンやインドールアミン等の神経伝達物質の生合成の律速段階となるチロシン-,トリプトファン-水酸化酵素反応のH-donorとして必須な因子である。生体組織中の微量B【H_4】濃度変化はモノアミン生成に関し最も生理的に重要なcontrol機構と考えられている。しかしB【H_4】の生合成全経路やその制御については解明されていない。今回、1、まず動物におけるB【H_4】の発見と生合成系の解明についてReviewを書き、現状の問題点を示した。又2、ラット唾液腺のB【H_4】量の発生的変化をHPLCで測定し、分泌機能の交感神経支配の生後生熟過程とB【H_4】量について相関性を認めた。3、ラットにGlucagonを投与すると、B【H_4】要求性肝フェニルアラニン水酸化酵素と呼応してB【H_4】合成系酵素であるセピアプテリン還元酵素(SPR)がtransientに活性化されることを見いだし、B【H_4】生成のホルモンによる制御の一例として示した。一方、B【H_4】の生合成に関する当面の問題は最終段階のモノケト体のテトラヒドロプテリン(P【H_4】)中間体の構造決定である。B【H_4】合成経路の最初のP【H_4】中間体はジケト体のプテロイルP【H_4】(P【H_4】-CO-CO-【CH_3】)とされており、Ci-ケトP【H_4】(P【H_4】-CO-CHOH-【CH_3】)又は【C-2】'-ケトP【H_4】(P【H_4】-CHOH-CO-【CH_3】)のモノケト体P【H_4】を経てB【H_4】(P【H_4】-CHOH-CHOH-【CH_3】)に変換されると考えられる。de novoのB【H_4】合成の実験系では多くの場合この両モノケトP【H_4】が検出され、真の中間体がどちらかは未決定である。SPRはPTPと両モノケトP【H_4】をNAbpH還元によっていずれもB【H_4】に変換しこの反応はN-アセチルセロトニン(NAS)で阻害される。今回、4、coenzymeを含まない精製Ci-ケトP【H_4】を用いて、SPRが【C_1】'-ケトP【H_4】を【C_2】'-ケトP【H_4】にするイソメラーゼ活性を有することを発見した。新活性はNAS非感受性である。de novoのB【H_4】合成系でみられる両モノケトP【H_4】はSPRのこの新活性に由来するものと考えられ、複雑であった実験結果の解明によりB【H_4】合成経路の決定に寄与すると思われる。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Katoh,S;Akino,M.: Zoological Science. 3(5). 745-757 (1986)
-
[Publications] 加藤節子,末岡照美: 城西歯科大学紀要. 15(3). 602-607 (1986)
-
[Publications] Katoh,S.;Sueoka,T.: Journal of Biochemistry. 101. 275-278 (1987)
-
[Publications] Katoh,S.;Sueoka,T.: Life Science Advances. 5(3). (1987)
-
[Publications] Katoh,S.;Sueoka,T.;Yamada,S.;Eds.B.A.Cooper;V.M.Whitehead: "Reversibility of α-Diketo Reductase Activity of Sepiapterin Reductase.in Chemistry and Biology of Pteridines 1986" Walter de Gruyter & Co.,Berlin,New York, 4(291-294) (1986)