1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540534
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
藤井 良三 東邦大, 理学部, 教授 (10045354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 範子 東邦大学, 理学部, 講師 (70057735)
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Keywords | 色素胞 / 体色変化 / 魚類 / 交感神経 / 中枢 |
Research Abstract |
研究課題遂行のための適切な実験材料としてティラピアを選択した。まず皮膚での色素胞の分布から観察した結果、黒色素胞は(1)鱗に存在するもの、(2)鱗の黒色素胞と同じ層にあるが、単離鱗についてこないもの、(3)鱗の直下に存在するものに大別できることがわかった。このうち(1)は非常に細長い枝を有し、完全凝集に時間がかかるタイプであった。単位面積当りのこのタイプの黒色素胞の数は背側で多く、腹側で少なかった。(2)のタイプはかなり高密度に分布し、形態的には枝は太く、中心部の面積も大きく、積極的に体色変化に関与していると思われる。(3)は黒色素胞一虹色素胞複合体として存在していた。続いて、これら色素胞を支配する神経の走行を検索した。約30cm位のティラピアの背鰭にHRPを注射して1〜3日後、最終ganglionを取り出し、固定,流水洗後、0.5%DAB(3,3´-ジアミノベンチジン)と1%【H_2】【O_2】水溶液中に30分つけてから、脱水,封入をした。また、鱗と鱗の間にHRPを注入し、1〜7日後、ganglionを取り出した。その際、潅流水洗によって血液を流しておくと効果的な観察ができた。このように、神経の走行の形態学レベルでの検索を経て、現在まで、電気生理学的実験の準備ならびに予備的な実験を積み重ね、より良い精度の結果を得られるようなシステムの改良や、方法の検討を進めている。まず交感神経節においてニューロンが実際に替力していることが確認され、神経支配が交感神経のみであることを示唆するデータが得られている。しかし、脳における体色変化の同定をはじめとする諸問題は、引き続いての検討課題として残された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kasukawa,H.;Oshima,N.;Fujii,R.: Comparative Biochemistry and Physiology. 83C. 1-7 (1986)
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[Publications] Kasukawa,H.;Oshima,N.;Fujii,R.: Comparative Biochemistry and Physiology. 85C. 125-130 (1986)
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[Publications] Nagai,M.;Oshima,N.;Fujii,R.: Biological Bulletin. 171. 360-370 (1986)
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[Publications] Kasukawa,H.;Oshima,N.;Fujii,R.: Zoological Science. 4. 245-259 (1987)
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[Publications] Kumazawa,T.;Fujii,R.: Zoological Science. 3. 599-603 (1986)
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[Publications] Fujii,R.;Oshima,N.: Zoological Science. 3. 13-47 (1986)