1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540536
|
Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
園部 治之 甲南大, 理学部, 助教授 (20068133)
|
Keywords | カイコ / 胚休眠 / 休眠代謝 |
Research Abstract |
カイコの胚休眠は呼吸の低下に伴う嫌気的糖代謝や、DNA合成の停止など、いわゆる休眠代謝の開始によって特徴づけられている。この休眠は産卵後約36時間(原腸胚前期)に【pnd^+】遺伝子が発現することによって決定されることが明らかにされている。この【pnd^+】遺伝子の産物(【pnd^+】蛋白質)は二次元電気泳動上で等電点8.5-9.0,分子量約22,000の付近に検出される(Sonobe andOdake。) 本研究は【pnd^+】遺伝子の発現時期と休眠代謝の開始のタイミングとを厳密に比較すること、および【pnd^+】蛋白質を部分精製することを目的として行われた。前者については休眠卵(pnd/+)での呼吸量を産卵後経時的に測定し、【pnd^+】蛋白質の出現時期(これは二次元電気泳動によるフルオログラフィーによって決定された)と比較した。その結果、【pnd^+】蛋白質の合成は休眠卵での呼吸の低下に約3時間ほど先行していることが明らかとなった。また後者すなわち【pnd^+】蛋白質の精製については、MonoPカラム(クロマトフォーカシング)やTSKG3000SWカラム(分子節)などが用いられたが、当初に計画したほど精製はすすんでいない。原因は卵中の【pnd^+】蛋白質が微量で検出が極めて因難なことである。今後これまで以上に大量の卵を用いて精製を試みるつもりである。
|
-
[Publications] H.Sonobe: J.Insect Physiol.32. 215-220 (1986)
-
[Publications] H.Sonobe: Roux's Arch Dev.Biol.195. 229-235 (1986)
-
[Publications] K.Matsutani: J.Insect Physiol.33. (1987)