1987 Fiscal Year Annual Research Report
西南日本内帯地域における石炭・二畳系境界付近の層位と古生物群の変遷
Project/Area Number |
61540567
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長谷川 美行 新潟大学, 教養部, 教授 (80018572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 健裕 新潟大学, 教育学部, 教授 (50018149)
新川 公 新潟大学, 教養部, 助教授 (50134903)
田澤 純一 新潟大学, 教養部, 助教授 (50108453)
津田禾 粒 新潟大学, 学長 (70018240)
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Keywords | 秋吉石灰岩 / 青海石灰岩 / 石炭-二畳紀 / スパー質カルサイト / Poeudoschwagiuna muongthensis / Fuonline-Fsulinella / 動物群 / Tritxiter動物群 |
Research Abstract |
61年度採集試料について室内実験をおこなうと共に, 秋吉地域全域について, 石炭・二畳系の境する代表地域を選定する調査をおこなった. その結果, 秋吉台南部を代表地域として選定し, 1/1,000〜1/500縮尺のルートマップを作成しつつ室内研究用試料の採集をおこなった. 本試料および61年度試料について, 石灰岩の岩質ならびに紡錘虫, 四射サンゴ, コノドントなどの生物群の変遷を知るための室が研究を継続中であるが, 現在までに次の事実が判明した. 秋吉石灰岩, 青海石灰岩には厚さ10m以外の黒褐色oparry caleiteがさはまれている. このoparry caleiteは(1)特定の層準(Fusulina-Fusulinella帯とTriticites帯との間)を占めて存在し, 広く追跡される. (2)このoparry caleiteを境いに移動群が大きく変化する. すなわち, 下位のFusulina-Fusulinella動物群は滅亡し, 新らたにTriticites動物群が出現する. (3)このoparry caleiteを境いに下位の地層中に広く発達していた四射サンゴ, コケムシ, 石灰藻類を主体とした一連の生物岩は急激に縮小し, 消滅する. そして上位の地層中には, あらたに生物岩の形成がはじまる. 一般に石炭-二畳系の境界はmuongthensis型Posudoschwagerinerの出現の時期にほぼ一致する. 秋吉石灰岩, 青海石灰岩においてはは, 黒褐色oparry caleiteの層準とPosudschwageriner muongthensisの出現までの間には,厚さ100m内外のTriticites動物群によって特徴づけられる石灰岩が存在する. 以上の事実によって, 秋吉石灰岩, 青海石灰岩の堆積地では, 石灰紀後期に, 動物群, 堆積環境の急変をもたらした何らかの事件が発生したことを知ることができる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 堀越叡: 地質学雑誌. 93. 141-143 (1987)
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[Publications] 長谷川美行: 地球科学. 42. (1988)
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[Publications] 長谷川美行: HSG研究連絡神. 3. (1988)
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[Publications] 津田禾粒: "津川の地質1/50,000表層地質図「津川」同説明書" 新潟県, 31-62 (1986)
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[Publications] 長谷川美行: "青梅-蓮華帯(飛騨外縁帯)の石炭系, ペルム系「日本の地質」中部I" 共立出版, (1988)
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[Publications] 長谷川美行: "蒲原山地の足尾帯の中・古生界「日本の地質」中部I" 共立出版, (1988)