1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540571
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 志朗 京大, 理学部, 助教授 (40025268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 雅之 京都大学, 理学部, 助手 (60108983)
鎮西 清高 京都大学, 理学部, 教授 (70011517)
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Keywords | ボーリング / 火山灰 / 海成粘土 / 高位段丘 / 大阪層群 / 花粉 / 珪藻 / 古地磁気 |
Research Abstract |
1.ボーリングによる試料採取 大阪府和泉市王子町919番地 宗教法人聖神社境内の西隅で、深度80mのコアボーリングを行った。掘削地点は信太山台地西縁(海側)の高位段丘面上である。掘削は株式会社キンキ地質センターが請負、昭和61年11月10日機械搬入、12月2日深度80mに達した。孔径86mmで不攪乱コア採取率78%,攪乱13%;砂礫の厚さは38.6%,粘土61.4%;砂礫の採取率は不損乱55%,攪乱27%,粘土の採取率は各々92%と4%であった。 2.野外地質調査はボーリング地点決定のため行い、堺市・和泉市からは公共施設の地盤調査資料の提供をうけた。今後、ボーリング結果との対比のため、なお踏査と試料採取を行う計画である。 3.コアの観察・記載 コアの処理は、掘削現場が神社の境内であり、しかも周知の遺跡内であったため、三宝伸銅株式会社泉大津工場の試験室で行った。地表から10.8mまで砂礫、以下28.7mまで粘土、36.1mまで砂、65.5mまで粘土、78.2mまで砂、以深粘土であった。火山灰は4層発見できた。その深度は、32.7,41.37,47.15,59.06mである。記載は縮尺10分の1柱状図と自然光によるカラー写真とによる。 4.コアの分析 厚さ1m毎に4層準からスメアスライド219枚を作り検鏡した。微化石により5層の海成層が判明した。深度16.4,16.7,22.75mからナンノ化石が検出された。現時点で大阪層群海成粘土層のMa11〜Ma7が採取できたと考えている。高位段丘堆積物から大阪層群上部まで1地点で連続して、ほぼ完全な試料が採取できたので、花粉・珪藻・古地磁気・火山灰などの詳しい分析を行いたいと願っている。そのため、昭和62年度の科学研究費補助金(一般C)で、このコアの分析費を申請した。コアは京都大学理学部地鉱教室に保管されている。
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