1986 Fiscal Year Annual Research Report
泥質岩のBushveld複合岩体と塩基性シルによる接触変成作用の違いとその意義
Project/Area Number |
61540585
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮野 敬 筑大, 地球科学系, 講師 (60133039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 淑夫 筑波大学, 地球科学系, 教授 (80015974)
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Keywords | Bushveld Complex / 塩基性シル / 接触変成作用 / 紅柱石 / アモサイト / 南アフリカ / 東Transvaal / 石綿 |
Research Abstract |
本研究では、岩石学的記載及び岩石化学的調査にもとずいて、南アフリカ東トランスバール地域(Malipsdrift,Mafefe,Penge)に産する二つの火成岩体(Bushveld Complexと塩基性シル)の時期的関係を明かにし、併せて両火成岩体周辺に見られる岩石の変成時の物理化学的環境の違いを推定した。具体的には、変成度に敏感な泥質岩と縞状鉄鉱の顕微鏡,EPMA,X線解析用の試料を作成し、鉱物岩石の同定と化学分析を行い、岩石組織、鉱物組合せ(鉱物組成などを含む)を調べた。これらの結果をふまえ、各岩石系の鉱物共生と鉱物の化学組成を検討し、鉱物安定関係から、温度,圧力,流体組成,酸素分圧等を決定し、変成条件の違いを推定した。また、変成時の流体組成は相関係,温度,圧力などに著しく影響するので、その影響も検討した。こうして求められた変成条件の違いを基に、アモサイト(角閃石石綿)及び紅柱石鉱床の生成に、上記二つの火成岩体がどのように関連しているか考察を行なった。両火成岩体による接触変成作用によって生じた岩石組織と変成度に着目すると、当調査地域では、Bushveld Complexによる接触変成作用が広範囲に及んでおり、Pretoria層群からTransvaal層群へ向って、変成度が珪線石帯から緑泥石帯まで連続的に低下している。しかしながら、シルに接する部分では逆に変成度が高く(紅柱石-十字石帯)なっている。上記層群中の岩石の変成組織と鉱物組合せを詳しく調べた結果、少なくとも、当地域では、シルの貫入がBushveld Complexの前駆現象ではないとの結論を得た。これに基ずいて、アモサイトや紅柱石鉱床のこれまでの成因論を見直し、現在、その結果をまとめつつある。また、Bushveld Complexの火成活動史をも見直す必要があろう。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Miyano Takashi: Ann.Rept.Geosci.Univ.Tsukuba. 12. 79-82 (1986)
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[Publications] Miyano Takashi: South Afr.Jour.Sci.(1987)
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[Publications] Miyano Takashi: Contrib.Mineral.Petrol.
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[Publications] Miyano Takashi: Ann.Rept.Geosci.Univ.Tsukuba.
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[Publications] Miyano Takashi: Jour.Petrol.
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[Publications] Miyano Takashi: Jour.Metamorphic Geol.